ハマの人たちと。【ヒプマイ短編集】

【理鶯２】 ページ7

「落ち着け、小官だ。…何をしている」



腕をひかれ、思わず声をあげてしまったが、



声のしたほうを見上げれば、そこに理鶯がいた。



　『あ…り、お…』



　「一人で来るなと、言ったはずだが。…む」



怒られるかと思っていたけど、


流石というべきか、理鶯はすぐにあの男たちに気づいた。



　「…下がっていろ」



私を守るかのように、理鶯が前に出てくれる。



こういうところ、好きだなぁ



そんな風に呑気なことを考えていられるのも、彼のお陰だ。




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　「…それで、何故一人で来た」



　『ご、ごめんなさい…』



事が落ち着いてから、

私は理鶯に説教のようなものを食らわされていた。



　「謝らずとも良い。理由を訊いているだけだ」



　『興味本位で…

　 少し入るだけのつもりだったけど、あの人たちから逃げようとして…』



言いながら、木に縛り付けられている男たちのほうを見る。



容赦ないんだよなぁ…



理鶯が敵に回ったとしたら、どれだけ恐ろしいことだろう。



　「…まあ、貴女が無事ならそれでいい。

　 怖い思いをさせて悪かったな」



そう言うと、彼は私の頭を撫でてくれる。



天然たらしだ…



　「…しかし、あまり心配させてくれるな。」



少しだけ眉をひそめて、困ったように言ってくる理鶯を見て。



こんなことはもう今後一切止めよう、と思った。

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