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【銃兎】 ページ44

「は…?Aさん…?」



左馬刻同様、玄関に広がる血を見て焦り、
貴女の名前を呼びながら探す。


どこか半信半疑で、というより、
これが嘘であって欲しいという思いから、
信じ切れずにいた彼。



 「っA!?」



床に倒れている貴女を見つけ、
駆け寄りながら名を呼ぶ。


と、そのデカい声に、
貴女がピクッと動いたのが分かったのか、

取り敢えず生きてはいるということが分かって、
安堵の溜息を漏らす。



 「…Aさん、失礼しますよ」



それによって、少し冷静さを取り戻した彼は、
そう言って貴女の身体に触れ、
状況を確認しようとする。



 『っ、待っ、銃兎…っ!ふふっ、』



彼が触れたのがくすぐったかったのか、
声を上げてしまう貴女を見て、



 「はーー……」



大きく長い溜息を吐き、
彼は貴女から手を離す。


もう隠せないと思った貴女が目を開けると、
そこには呆れた顔の彼が居て。



 「……自分で片づけてくださいね」



冷めた声でそれだけ言うと、
彼はその場から去っていく。



最初は心配してくれていたのに、
その切り替えの早さに、
もうこれ以上続ける気にもならず、
片づけを開始することになった。



−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−



 「随分凝ってますねぇ」



何だかんだ言いながら、
髪に付いていた血のりを落としてくれる。



 『家に帰ると妻が必ず〜
  死んだふりをしていーます〜』



そんな彼に、機嫌を良くした貴女が歌っていると、
相変わらず呆れた様子で聞いていた彼が、



 「…ほう、妻ですか。」



何故かそこだけ、興味深そうに言ってくる。




 『結婚するなら是非私で。』


 「死んだふりをする妻なんて嫌ですよ。」


 『じゃあ止めるから結婚しよ』


 「はいはい」



彼がそう言うのは、

彼女の言葉は冗談だと思っているのか、
自分もとっくにそのつもりだからか。

【理鶯】→←17.死んだふり【左馬刻】



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百面相(プロフ) - 0077さん» 了解しました!ネタ切れ&スランプだったので有難いです! (2019年3月21日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - リク応えてくれてありがとうございます!!めっちゃよかったです!!次のリクいいですか?ふと悲しいことを思い出して泣いてしまった。でお願いします!! (2019年3月20日 16時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 0077さん» 有り難うございます!書き途中のものを仕上げ次第、投稿していきますね! (2019年3月10日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - 初リク失礼します!!誘拐されて顔に大きな傷をつけられたら。 でお願いします!!更新頑張ってください!! (2019年3月9日 18時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 苺大福さん» いえいえ、こちらこそ見てくださって有り難うございます!残る二人も、順次公開していきますね! (2019年3月6日 21時) (レス) id: 06af4ddcfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百面相 | 作成日時:2019年1月14日 17時

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