ハマの人たちと。【ヒプマイ短編集】

１０．違法マイク【左馬刻】※リクエスト作品 ページ23

苺大福様からのリクエスト作品になります。




　「キャラが違法マイクで操られて夢主を殺しかけてしまった」



リクエスト処女作でございます。

生暖かい目で見守ってください…


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　「ッ、くそ…っ」


　『左馬刻…っ！』



私の存在が足手まといになってしまったのだろう。


私を庇いながらだったせいか、
珍しく膝をつくところまで追い込まれた彼に慌てて駆け寄る。



　「っ来んな！！行ってろ…っ！」



そんな私を振り払うようにして言ってくる彼の顔には、
いつもの余裕なんて感じられなくて。

一郎とやり合う時のような、強敵と対峙した楽しさも感じられなくて。


ただただ、余裕のなさそうな顔で相手を睨んでいた。



　『っ…』



こんな状況で、私にできることなんてない。


左馬刻が苦戦してるのに、私が助太刀なんてできるわけない。


せめて迷惑にならないように
足手まといになんてならないように

彼の後ろに隠れることしかできない。



…もしも私が強かったら。

左馬刻の隣に立っていても恥ずかしくないような人間だったら。

彼がこんな目にあうこともなかったのに。



　「おい、A…」


　『っ、なに』



何かに抗うように辛そうに私の名を呼ぶ彼には、脂汗が滲んでいて。

余程の状況なのだと、改めて思い知らされる。



　「っ、離れてろ」


　『…え』




そんなの
勝てないのを悟って、私だけ逃がすみたいな…


今までは、離れたところで襲われたら、
為す術がない私はすぐにダメになってしまうだろうと思って、
傍に置いて守ってくれていたんだろう。




　『さ、ま…』


　「さっさと行けやクソアマ！！」



その声に、思わず肩がビクついてしまう。


どうすればいいのかが分からずに、
左馬刻の方をおずおずと見る。


と、持て余した力を発散させるかのように、
対峙していた相手に一直線に向かっていく。


直後、相手の男の身体が吹き飛んだ。


　『っ…！』


その男が、建物の壁に身体を打ち付けたのが分かったと同時、
左馬刻は新たな標的を見つけたかのようにこちらに向かってくる。


その目は、男に向けていたのと同じように攻撃的で。





殺される。






直感的に、そう思った。



　『左馬＿＿』



震える声でも、彼の名を呼ぼうとした刹那



　『ッ！？』



自身の身体が傾いたかと思えば、
何が起こったのかも分からないまま、


私は意識を手放した。

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