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【理鶯】 ページ16

「これからどうする?そろそろ帰るか?」



理鶯とのデートの後。


そろそろいい時間というところで、彼からそう言ってきた。



名残惜しいけれど…あまり迷惑をかけるわけにはいかないし。


私も、あまり遅くまで出歩いているわけにはいかないし。



 『そうだね…送ってくれる?』



 「勿論だ。行こうか。」



…冗談のつもりで言ったのだが。



真に受けてしまうから、なんだか申し訳なく思えてしまう。



 『あ、ありがとう…』



当然のように手を繋いで先導してくれる彼。



…彼氏力高いよなぁ、と改めて思う。



 「あっ…!」



 「…?」



どこからか、ふとそんな声が聞こえてきた。



夕方とはいえ、都心ともあれば普通に人は居る。



むしろ仕事帰りの人などで混雑していた。



 「理鶯さんですよね!まっとりの!」



その黄色い声と近寄ってきた女の人を見て、状況を察する。



理鶯、もしくはまっとりのファンの人ということか。



私…完全に邪魔だよね。



 「あ、えっと…彼女、さんですか?」



私の存在に気付いたらしい女の人が、そう言ってくる。



まあ、そう思うのも仕方がないか。



ただその場に居ただけなら気づかなかっただろうが、

何せ理鶯が手を繋いできているのだから。



ファンの人に声をかけられたというのに、

その手は離さないままだった。



 『ああ、そうだ。』



理鶯は、驚くほど潔く、そう答えてしまう。



私としては嬉しいのだけど、

理鶯はそれでいいのだろうか…。



 「何だ、彼女いるんだぁ…

  フリーだったら私がもらおうかと思ってたのになぁ」



冗談めかしてそんなことを言う彼女は、

容姿も声も、私より可愛らしくて。



こういう現象に直撃してしまうと、胸が痛いなぁ、なんて。



 「すまないが、小官はAにしか興味がないのでな。」



言いながら、理鶯は私の肩を引き寄せる。



 『っえ』



 「あはっ、分かってますよ。冗談通じないなぁ…」



話せただけでも嬉しかったです、と言い残して彼女は去っていく。



 『理鶯…?』



 「む、すまない、つい。」



おずおずと彼の顔を見上げると、

はっとしたような顔をして、そっと私の身体を離す。



 『ふふ…ありがと』



 「? 小官は何かしただろうか」



無意識でそういうことを言ってしまう辺りイケメン…

8.バレンタイン【左馬刻】→←【銃兎さん】



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百面相(プロフ) - 0077さん» 了解しました!ネタ切れ&スランプだったので有難いです! (2019年3月21日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - リク応えてくれてありがとうございます!!めっちゃよかったです!!次のリクいいですか?ふと悲しいことを思い出して泣いてしまった。でお願いします!! (2019年3月20日 16時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 0077さん» 有り難うございます!書き途中のものを仕上げ次第、投稿していきますね! (2019年3月10日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - 初リク失礼します!!誘拐されて顔に大きな傷をつけられたら。 でお願いします!!更新頑張ってください!! (2019年3月9日 18時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 苺大福さん» いえいえ、こちらこそ見てくださって有り難うございます!残る二人も、順次公開していきますね! (2019年3月6日 21時) (レス) id: 06af4ddcfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百面相 | 作成日時:2019年1月14日 17時

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