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【銃兎】 ページ11

つ、と肌に何かが触れる感覚に、Aは上を見上げた。



その感覚が何か、大体の見当はついていたのだ。



それが雨であることを視覚でも確認すると、

どこかに逃れられる場所はないかと辺りを見渡す。



建物ならいくらでもあるが、

ここは住宅街のため、迂闊に入れない。




流石に酷くなるようなら助けを求めるが、

今はまだ雨もそこまで強くない。




それに、今は銃兎と待ち合わせをしているのだ。

そこまで行くには、まだ少しかかる。

つまり、近くに頼れる人はいない。




しかし、待ち合わせをしているのだ。

銃兎は、Aが寒冷アレルギーであることを知っている。

雨の中、彼女がなかなか来ないとなれば、流石に心配くらいするだろう。



どちらにしろ余裕の持てるような状況ではない。

そう思い、Aは先を急ぐことにした。




道中も、体に雨粒が当たるのが嫌でもわかる。




それのお陰で焦りが募る中、

彼女の前方から見知った人物が走ってくるのが分かった。



 『っ、銃兎…!』



 「大丈夫ですか!?とにかく此方へ!」



銃兎は、Aの腕を引くと、

彼女に自信の上着を掛けて走り出す。



Aは、ただされるがままに、

彼に支えられながら雨の中を走った。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 「はぁ…すみません、大丈夫でしたか?

  雨の予報ではなかったので、油断しました」



Aは建物に入り、ようやく体を落ち着かせることができた。



屋内に来てから、銃兎は彼女の介抱のため、

濡れた体をタオルで拭いたり、温かい飲み物を持ってきたりしていた。



 『ううん…ありがとう』



迷惑をかけてしまうのは今回が初めてなわけではない。



申し訳なさそうにしつつも、微笑んでお礼を言うAに、

銃兎は安堵の溜息を漏らし、そっと頭を撫でた。

【理鶯】→←5.寒冷アレルギー【左馬刻】



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百面相(プロフ) - 0077さん» 了解しました!ネタ切れ&スランプだったので有難いです! (2019年3月21日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - リク応えてくれてありがとうございます!!めっちゃよかったです!!次のリクいいですか?ふと悲しいことを思い出して泣いてしまった。でお願いします!! (2019年3月20日 16時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 0077さん» 有り難うございます!書き途中のものを仕上げ次第、投稿していきますね! (2019年3月10日 12時) (レス) id: 94aa678148 (このIDを非表示/違反報告)
0077 - 初リク失礼します!!誘拐されて顔に大きな傷をつけられたら。 でお願いします!!更新頑張ってください!! (2019年3月9日 18時) (レス) id: 7491c8000a (このIDを非表示/違反報告)
百面相(プロフ) - 苺大福さん» いえいえ、こちらこそ見てくださって有り難うございます!残る二人も、順次公開していきますね! (2019年3月6日 21時) (レス) id: 06af4ddcfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:百面相 | 作成日時:2019年1月14日 17時

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