今日だけ『夫』で ページ17
たーだいま、高専。話がしたいとのことで、私は夏油の部屋にお邪魔した。
わーー!!!初めてお部屋にお招きされた〜!!!!!嬉しさからそわそわが隠せない。
「で、なんで元気無いの?」
私と夏油はミニテーブルを挟んで対面して座る。私から話を切り出せば、夏油は暫く視線を落として、それから口を開いた。
「君は、非術師をどう思う?」
「え?……………えっとー……どうって……」
意味がわからない。非術師をどう思うかって?最近の記憶をたよりにするのであれば、ウザいの一言に尽きるが。
殴れないし。祓えないし。ムカつくし。
「嫌いだと思うか?」
「うん。嫌いだよ」
それには即答で答えた。夏油はその答えにどうしてと理由を聞いてきた。
そりゃ決まってる。呪いは非術師から生まれるし、非術師は呪術師のことをなんとも思っていないんだ。ムカツクし、ウザいって思う。
それを言えば、夏油は自嘲した笑いを浮かべて言った。
「君はどうして呪術師をやっている?非術師が嫌いなのに、何故非術師を守る?」
「待って、夏油。私は非術師のために呪術師やってるわけじゃないぞ」
「…………え?」
勘違いしないでほしい。嫌いな奴を守るほど私はお人好しではない。それに守りたいと思ったこともない。
「私がここに来た理由知ってる?」
「………いや、知らないな」
「私ね、親の記憶無いの。というか、高専に来る前の記憶が無い。気づいたら夜蛾先生にここに通えって言われてた。
私は自分が何者なのかわからないのが怖かったから、呪術師になることを選んだの。
私は『呪術師』、それが私の存在証明なんだよ」
もしも、私が夜蛾先生と出会っていなければ。自分が何者かわからずに恐怖で狂っていただろう。それこそ、非術師のように呪いを産み出していたかもしれない。
「夏油は非術師を守るために呪術師になったの?」
「そう……思っていた」
過去形……。
「……守るためじゃなければ、なんで呪術師をやっているのか、わからないんだ」
「私たちとバカ騒ぎするために呪術師やってるのかと思ってた」
「ハハッそんなわけないだろう……でも、それはそれで楽しそうだね」
あ、笑った。夏油が笑った!!!!
やりました!!!私頑張った!!!
このあと帰ろうとしたら腕を掴まれて押し倒された。
ひぇ、顔が怖いです。
「今日1日、私の妻なのだろう?」
「…………ソンナコトイッタカナ」
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梅雨の目(プロフ) - ゆなさん» 返信が大変遅くなり申し訳ございません!!そして、嬉しいコメントありがとうございます!!気が向いたら続編を出したいと思っておりますので、気長に待っていただけたらと思います (2021年12月1日 15時) (レス) id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
ゆな - この作品大好きです♪続編、、、欲しいです☆ (2021年6月29日 21時) (レス) id: 8dc6dc1d77 (このIDを非表示/違反報告)
梅雨の目(プロフ) - ツナマヨさん» 笑っていただけてなによりです!コメントありがとうございます!!! (2021年3月20日 22時) (レス) id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
梅雨の目(プロフ) - 麻穂さん» 面白かったならなによりです!!コメントありがとうございます!!! (2021年3月20日 22時) (レス) id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
ツナマヨ(プロフ) - サマーオイルwwwwwwwハウスインwwファイブジーwww腹筋崩壊するwwwww (2021年3月20日 10時) (レス) id: 33f327ed78 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅雨の目 | 作成日時:2021年2月14日 18時