お願いだから、今だけ話を合わせてください【呪術廻戦】

今日だけ『夫』で ページ15

自分でも何を言ってるのかわかってない。
夫になれってなんだ、私は何様なんだ。自分で自分が怖い。でもここで引き下がるのも嫌だ。ええぇい！！私は最強なんだ！！！
すちゃっとポケットから出したグラサンを装着し、私は夏油の机をバンッと叩く。



「おうおう兄ちゃん良い顔してるじゃねぇか！ちょっと俺の夫として１日エンジョイしてみねぇ？」



五条っぽく言ったら、硝子が吹き出し笑い始めた。笑わないで、恥ずかしくなるから。今の私は思考を停止して、勢いだけで喋ってるから。
そうだよ、冷静になったら負けだ！！！！


「ほら、げと……傑！！！荷物をもて！！出掛けるぞ！新婚旅行だ！！」


夏油を無理やり立たせ、私は腕を引く。彼は意味がわからないという顔で、しかし私の腕を払うことはせずついてきてくれた。

なぁんだ意外と乗り気じゃーん！


よっしゃいくぞ！

向かった先はTDL。新婚旅行にTDLはないだろうが、我々は学生である。楽しまなければ損である。


「傑、何か食べたいのある？」

「…………ないよ」


「欲しいものある？」

「………………」


無言かいっっ！どうしよう。なんとかして夏油を笑わせたい。有効期限は１日だからな。今日１日で夏油を笑わせることができれば私の勝ちである。


私は考えるよりも体を動かす派なので、思い付いたこと全てを試した。

ネズミ耳のカチューシャをお揃いで買ったり、ホップコーンをあーんして食べさせたり、アトラクションではとりあえず騒ぎまくって、写真を撮って、どうにか笑わせようと慣れないギャグを言ってみたりと、とにかく必死に行動した。


しかし、夏油は笑うことはなく、私の空振りで終わった。


気づけばもう夕方で。






「うがぁぁぁぁーーーー！！！！」


「A、場所を考えようか」




待って、口と鼻を同時に塞がないで。息ができなくなるから。

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