傷を抱えた私達は (ページ37)

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その手を捕まえて"まだ撫でていて"なんて言えない

私は草川くんの彼女じゃないからわがままは言えない

まぁ、どっちみち今は体動かせないけどねw

その後、松尾先生が入ってきて今の状態など何個か質問されて

草川くんに手伝ってもらいながら上体を起こしスポドリを飲む

7「草川くんあれやったら戻ってもええで？」

そう言った松尾先生にそうだよね。体育の途中だもんね…と落ち込んでいると

「Aさんが心配なのでここにいます」

なんて真剣な顔で言われるからドキッとした

心配してくれてるというだけで嬉しいのに、授業より私を優先してくれたという事実が嬉しさを倍増させた

松尾先生が仕事に戻ったあと2人にきりなっても草川くんに変わった様子はない

氷嚢で冷やしてくれるの有難いけど触れられたところが逆に熱くなっていく気がする

ドキドキしてるのはこっちだけなのかも

これ以上触れられていたらどうにかなりそう

そう思い

『ここまでしてもらわなくても大丈夫だよ？』

と、言ったら

「俺がやりたくてやってんの」

なんて予想外の回答されるからもうパニック

逆に無心になり落ち着きましたw

「1つ聞いてもいい？」

さっきよりも話すトーンが下がり、真面目な話なんだなと少し身構える

『うん。いいよ？』

何を聞かれるのだろう

なんで運動したの？とかかな

聞かれたのは、予想していた説教みたいなことじゃなくて

「Aちゃんは、海が嫌い？」

もっと、真面目な話だった

海が嫌いかどうか、、

嫌いではない。それは断言出来る

でも、過去が邪魔をして海と二人きりになることを体は拒否する

『嫌いではないよ。でも、多くの迷惑をかけたし、海が女癖悪くなってしまったのま私のせいだと思うから、だから、、』

海とも幼なじみに戻りたい

でもどうしたらいいかわからない

これ以上言葉が出てこなくて焦る私を

「うん、ごめん。上手くまとめようとしなくていいよ。嫌いじゃないって言葉が聞ければ十分」

と言い優しく頭を撫でてくれた

「ほら、もう休みな？長く喋らせちゃってごめんね」

目元を大きな手におおわれて視界が真っ暗になる

でも怖くはなくて安心して目を閉じるとすっと眠気が襲ってきた

また目を開けた時まで草川くんがいてくれたら嬉しいけど授業あるからいないよな…

なんて草川くんのことばっかり考えながら私は幸せな気持ちで眠りについた