傷を抱えた私達は (ページ34)

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杏『Aはさ、草川くんのことかっこいいから好きなわけじゃないでしょ？アイドルを推すみたいな感じじゃ』

『？違うけど…』

杏『私はさ、中学の時草川くんのこと好きだと思ってたの。でも、柊生を好きになってわかった。この好きは恋愛的な意味じゃなかったんだって』

『そうだったんだ…』

杏『うん。だから本気で好きなら頑張ってほしいな。草川くんだってAのこと嫌いじゃないと思うし』

稜雅からは遠慮するなと言われた

杏からも頑張れと言われた

頑張りたい。けど、私が恋愛をもう一度するにはもう1人向き合わなきゃいけない人がいる

脳裏に過った海の顔を1度しまい込み

本題へと移る

『杏、お願いがあるの。私が出しゃばるのもあれなんだけど…』

杏『うん？どうしたの？？』

『柊生に今話した内容を話してほしいの』

杏『どういうこと？？』

私は柊生に過去の話を聞いたこと、柊生が泣いていたことを話した

杏『そんなこと思っていたなんて知らなかった…』

『柊生を救えるのは杏だけだと思うから、話してほしいなって』

杏『うん、ありがとう。ちゃんと話すよ』

『2人のこと大好きだから、お節介でごめんね？』

杏『ううん、お節介なんかじゃないよ～柊生の気持ちを知ることが出来て良かった。知らないまま苦しめたくないからね』

やっぱり杏は恋愛の先輩だよ

柊生のことを純粋に真っ直ぐ想い、行動している

こんな風に私もいつかなりたいと思う

そのためには海と向き合わなきゃいけないんだけど…

いきなり海と向き合うのは難しいので

この日から私は、1歩ずつ過去を断ち切るために出来ることから行動することにした