♯ ページ13
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『受かりましたー！！！』
合格報告はAの口から直接聞けた。名古屋大学に現役合格するのはうちの学校だと凄いことで、校内でも名大に受かった先輩がいる、と噂になった。
『部活のサポートはとても大変だったけど、私も皆に支えられて勉強に励むことができました！
皆も両立大変だと思うけど、頑張って目標叶えてください。私も名古屋で頑張ります！』
近くで見ていたから知っている。一緒に帰る時は俺の終わりを待ちながら英単語帳の単語を覚えていたし、Aの部屋の灯りは日付が変わっても付いていた。
“私英語苦手やからいっぱいやらんと覚えられんの”
模試の結果を見ながらここが弱点、なんて嘆いていたけど、俺からすれば弱点なんかじゃなかった。英語で150点は武器になるだろって思っていた。
頑張りが実ったからこそ、俺は素直に言えた。
「Aおめでとう！」
『ありがとう〜！！』
「本当すごいよ。よく頑張ったね！」
部活終わり、2人で帰る道のりで祝福する。
『もし浪人したらどうしようか思った』
「Aが浪人するわけないじゃん。あんなに頑張ってたのに」
ふと思い出すとこの2年間の思い出が蘇る。卒業式は終わったから、Aが学校に来ることはほぼない。
莉子の件で疎遠になったこともあったし、俺がお試しなら、と彼女もどきを作って一緒に帰れない時期があった。すぐに振られたけど、あの期間がもったいなかったと悔やむ自分がいる。
……寂しい。俺はもうAしか受け付けられない。
「ねえA」
『ん？』
「ちょっと、寄り道して帰ろうよ」
自転車を漕いで向かったのは、2人でよく語り合った公園だ。子供の頃によく親に連れられて遊びに来た。
『公園かあ……』
暖かくなってきたとはいえ暗くなるのはまだ早い。
「ここ座ろっか」
子供達が帰って寂寥漂うブランコに2人並んで座る。小さく揺れるA。その制服を着て通学することはない。一緒に登下校もできない。
「ねえA」
『んー？』
「これ、卒業祝い」
『可愛い……！』
ポケットに忍ばせておいたのはブレスレットだ。徹也とその彼女にもブレスレット選びを手伝ってもらったけど、ダサいかAらしくなくてボツにした。
Aのような華奢さに一目惚れし、小さな星と月のデザインを選んだ。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます！ これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (
レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです！面白すぎます！頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！！！！！！！ (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年5月14日 22時
