♯ ページ11
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高2に進級しようとしていた春。莉子と大喧嘩をした。
「亮は私のこと見てないよね。あのブスばっかり見てる」
莉子が言うブスはあの子しかいない。大切な幼馴染をブスと言われたのにカッとした。
「誰のことブスって言ってんの？ 少なくとも莉子よりは可愛くて性格もいいよ」
漏れたのは内に秘めた本音だった。この数ヶ月莉子と付き合ってみて、可愛い一面を沢山見た。本当に好きになった。でもAの悪口ばかりの莉子は嫌いだ。
“あのマツコって先輩、絶対にビッチだよね”
“ブスのくせに調子乗ってる”
“どうしてあいつが亮の幼馴染？ 可愛くないのに”
テスト期間中なのにデートに連れ回される。俺は勉強したいのに喋ってばかりで集中させてくれない。基本放任な両親がそんなんじゃ特進には進めないぞ、と釘を刺してきたのも知らないだろう。
自主練をしている時だって早く帰りたいとか、デートしたいとか、わがままの連続だった。
莉子は俺の気持ちなんてまるで考えてくれなかった。
「莉子と付き合うの疲れた。もう俺に関わらんで。別れよう」
俺は莉子を振った。
その後、彼女はAの教科書数冊を盗もうとしていたのを発見された。Aの親友であり、長距離で同じだった綾美先輩が忘れ物を取りに教室に戻った所を見つけたのだという。
「Aね、福尾には言ってなかったけどこの2ヶ月参考書とかノートが突然無くなっとったの」
「作ったお守りが破られてたり、シューズが勝手に捨てられてたこともあったかな」
「嫌がらせの犯人見つかって安心したなあ」
泣きそうに大丈夫、と強がっていたのも、最近になり学校を通じて警察に被害届を出していたのも、……ハルキ先輩と別れていたのも。
全部綾美先輩に聞かされた。
「莉子ちゃんって福尾の彼女だったよね？ 止められんかった福尾も同罪じゃない？」
莉子は警察送りになり退学処分を食らった。俺も彼氏だったから、と担任や顧問にひどく怒られた。
福尾も知らなかったのに、と気の毒に思ってくれる同期や先輩もいたけど、一部の部員には白い目で見られた。ミーティングでの冷たい視線は禊だと心得て耐えた。
『皆福尾のこと怒らんで？ 今回の件で咎められるべきは福尾じゃないよ、近藤さんだよ』
居場所がなくなりかけた俺を助けてくれたのはAだった。
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あおやなぎ(プロフ) - AYN98036518さん» 初めまして、ありがとうございます！ これからもこの作品をよろしくお願いします(^^) (2021年1月5日 15時) (
レス) id: 098b1a6f9b (このIDを非表示/違反報告)
AYN98036518(プロフ) - 面白いです！面白すぎます！頑張って下さい！続き楽しみに待ってます！！！！！！！ (2021年1月4日 12時) (レス) id: 12406a430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あおやなぎ
| 作成日時：2019年5月14日 22時
