検索窓
今日:2 hit、昨日:2 hit、合計:13,321 hit

お話19 ページ2

ドロッとした病院食を食べながら、彼と話す。

人懐っこそうな彼はノアという名前で、今日本にいるFBIの中では一番若いらしく、現場慣れをしてないらしい。

「ユイ、美味しいですか?」

「いや、あまり美味しくないよ」

ドロッとした病院食は味付けが薄く、噛みごたえが無く、お世辞にも美味しいとは言いがたい。

むしろ、まずい。

「ユイ、記憶がないって本当ですか?あなた、胸を撃ち抜いたんだから」

確かに。

あの時の僕は死のうとしていた。

なぜか、褐色の肌の彼を守らなきゃなんて使命に突き動かされて。

なんで胸を撃ち抜いた?

なぜ、頭じゃなかった?

頭の方が、確実に死ねるのに。

『ヒー君!』

頭の中で誰かが叫ぶ。

たくさんの声が聞こえる。

うるさい、うるさい!

耳を手で覆い、目を塞ぎ、うずくまる。

「ユイ?どうしたんですか?」

「ナースコールだ。急げ!」

どこか遠くからそんな声聞こえてくる。

『俺は君の側に。ずっと、ずっと、一緒に』

『ヒロ!行かんといて』

『はじめまして、諸伏君』

『じゃあな、ゼロ』

よくわからない景色が、声が、頭の中でリピートする。

景色にはいつも、金髪で碧眼の褐色の彼が写っている。

ああ、これは僕の記憶じゃない、僕の記憶だ。

頭の中の変に冷めたところが、そう結論付ける。

景色が次第に薄れ、声も消えていく。

最後に見えたのは、泣いている彼だった。

お話20→←お話18



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (23 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
18人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 転生 , 男主
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

安曇野レゾ - 桜さん» コメントありがとうございます!ゆっくりですが、更新していくので、よろしくお願いします! (2018年10月16日 20時) (レス) id: 8d7d5a4466 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - このあとどうなるかな?続き頑張って! (2018年10月15日 19時) (レス) id: 4b63d11e04 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:安曇野レゾ | 作者ホームページ:http:なし  
作成日時:2018年9月29日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。