Ep19 ゼロの執行人 ページ2
「えーやだやだ私そんな依頼!国木田君が行けばいいじゃん!」
とある日。私は探偵社で騒いでいた。
「黙れ!うるさいぞ降坂!」
国木田君が叫ぶ。
「だ、か、ら!なんでこんなテロの調査をしなきゃいけないの!警察に任せちゃ駄目なの!?」
さっきうちに来た依頼。それは、「東京サミット会場のテロ防止の為の侵入捜査」だった。
しかも、政府からきた。
「依頼が来たからお前に頼んでいるんだ。見られた時は記憶を消せばいいだろ。一人くらいなんてことないだろうが。」
半ギレになりながら国木田君に云われる。
そう。この依頼には一つ制約があった。
それは、捜査をしていることを誰かに見られてはいけない。
つまりそれは、サミット会場を取材に来ているメディアにも見られてはいけない、そういうことだ。
私の異能、少女の独り言は、対象者を操ることができる。記憶を消すこともまた然り。
私が適任なのは判っている。
「む…鏡花ちゃんも連れてっていい?」
私が鏡花ちゃんの名を出すとくいっと鏡花ちゃんが顔を上げる。
「私は別に構わない。」
そして、声を出した。
「お前が良いなら構わないが…じゃあ早く行ってこい。」
あれれ、国木田君鏡花ちゃんには優しくない?私と対応違くない?
「はーい。行こう。鏡花ちゃん。谷崎君。車のカギー」
立ち上がって、谷崎君に手を出す。
「あ、はい。」
社の業務用車両の鍵を貰って、鏡花ちゃんを引き連れる。
「…A。」
「はい?」
出て行こうとした時、乱歩さんに声を掛けられた。
「気を付けて。」
そう一言告げた。
「わぁ…!乱歩さんが私に優しい!」
本心のまま声を上げる。
「黙れ。早く行くんだ。」
あ、違うんですね。
「行こ。」
鏡花ちゃんが私の服の袖をくいっとつかんで云う。
「そうだね。」
さぁ。始めようじゃあないか。
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藍梨(プロフ) - とても面白いですね! (2021年8月12日 19時) (レス) id: 42bd1ecc91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴愛(れいあ) | 作成日時:2018年5月20日 18時