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ドアを破壊したと同時に、セキュリティが反応したのかサイレンが鳴り始めた。



周りには参拝客が何人かいて、立ち止まってこっちを見てる。

…ヤバい、完全に私も共犯者として見られてる。




私が人生最大のピンチに焦りまくっているのに対して、鹿紫雲一は全く動揺することなく中に入っていった。




『やっぱりここにあったか』


「ねぇ!ちょっとホントにダメ…!!犯罪者になるから…!!!」




懸命に引き留めるもコイツの力に抗えず、ただ無様に引きずられるだけになる。


鹿紫雲一はしばらく進んでから立ち止まった。




『これだ、俺が預けた如意棒。お、服もちゃんと一緒にある』




ガラスケースの中に入れられた、如意棒と白い服。



【如意棒】

慶長時代に、無敗の剣豪が旅の前に宮司に預けたとされている。




『…剣豪じゃねぇけど。まあいい』





彼が宝物の解説文にケチをつけた次の瞬間、如意棒の周りに火花が散り始める。


いや、彼自身の周りにも…




「…え…何…?」




そして、バリバリッというものすごい音と共に稲妻が走って、ガラスケースが割れた。


如意棒は、磁石と磁石が引っ付くみたいに自然に、鹿紫雲一の手に収まる。




「あぁ…終わりだわ…」



警「おい!そこの2人!手を上に上げて床に伏せなさい!」


警「男の方はまずそれを手放せ!!!!」





こんなに簡単に、私の平凡が崩れ去るなんて。





『……なぁ』





あたおか男が、囁き声でそっと耳打ちしてくる。





『超高速でぶっ飛ばすの、好きか?』



「は?こんなときに何…」



『苦手なら目瞑ってろよ』



「は、えっ、はぁ!?」





次の瞬間、突然身体が浮き上がって

そしてまた次の瞬間には私の身体はガッシリとした腕に頑丈に抱きかかえられていた。



そしてドンッという音と共に、突然猛スピードで動き出す。



思考が追いつくまでに時間がかかったが、途中でこのとんでもないスピードで動いているものは鹿紫雲一自身であるということに気が付いた。


体感的には猛スピードのバイクって感じなのに、実際には鹿紫雲一の脚なのだ。




あまりの速さに、怖くなって目を瞑った。


振り落とされないように、逞しい身体にギュッと抱きつく。




とんでもないことの連続で、こんなことを感じる余裕はないはずなのに

こうしていると何故か妙に安心して、離れたくなくなった。





この男はやっぱりおかしい。

頭も、身体能力も、何もかも。

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設定タグ:鹿紫雲一 , 呪術廻戦
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ヤハウェ(プロフ) - 由良の門をさん» そういう先輩っていうのは社会にごろごろいますから気をつけていきましょうね‼️鹿紫雲たんみたいなのが一家に1人いれば、日本社会はもっとマシになるはずであります…応援あざむぁす! (2月19日 14時) (レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - うみさん» ありがとうございむぁす‼️いい話ですよね😍オイラも好きですよ✨ (2月19日 14時) (レス) id: 3429f701c5 (このIDを非表示/違反報告)
由良の門を - 企画を丸投げする先輩共腹立つと同時に、鹿紫雲の優しさが主人公にしみますね・・・!更新楽しみです!頑張ってください!!!! (1月15日 23時) (レス) @page17 id: 2f071b2218 (このIDを非表示/違反報告)
うみ - 作者さまの小説の中でこの小説が1番好きです!鹿紫雲目線と主人公ちゃん目線の書き方、文章の表現が素晴らしいです…好き! (11月29日 21時) (レス) @page23 id: d6837fdd33 (このIDを非表示/違反報告)
ヤハウェ(プロフ) - あわさん» そう、鹿紫雲ちゃんは最高なのですよ!!沼れ!沼れ!いや、もう沼っているはずだお。この小説を読んだことがその証拠さ… (2023年4月13日 0時) (レス) id: 4505794e30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヤハウェ | 作成日時:2022年12月3日 0時

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