１７歳から始めるクソLIFE with 禪院直哉

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私が禪院家を出ることになった理由については、出来るだけ簡潔に話したい。



というのも、理由となった出来事は私にとってトラウマ級に怖かった出来事なのだ。



あんまり鮮明に思い出したくない。






一言で言うと、私の強制解雇の原因になったのは禪院直哉のお兄さん、ないし直毘人の長男だった。





彼はずっと、生意気な末っ子が次期当主に選ばれていることが不満だったらしい。





実力は確かにあるが、あんな人望のない奴をなぜ、というのが彼の主張だった。


今思えば、めちゃくちゃ的を得た主張なのだが。







とまあ、そんな思いを抱いていた長男がついに不満爆発。



私と禪院直哉が互いに特別な感情を抱いていると勘づいた長男は

何と呪霊がうようよ飼われている部屋に私を閉じ込めたのだ。



あの、何も見えないのに絶対に何かがいるという奇妙な感覚への恐怖は、今でも忘れられない。


ホントに呪霊っているんだなって思った。





その日は禪院直哉は任務に行っていて家にいなかった。



長男はわざと、彼がいない日を選んで事を起こしたのである。





でも結局私が今も健康に生きているのは、禪院直哉の他の兄弟、次男とか三男とか…のおかげだ。



長男の様子がおかしいことに気づいていた彼らが、危機一髪のところで助けに来てくれた。


まあ、完全に気を失ってはいたんだけども。






任務から帰ってきた禪院直哉は、自分の兄が私にしたことについて知って当然、激昂。



私はその時意識がなかったので知らないが、とんでもない大乱闘を起こしたらしい。



何とか周りがお怒り直哉様を抑えて事はおさまったが、長男は意識不明の重体まで追い込まれた。







末っ子が長男をボッコボコにしたことに関しては、長男が非術師をあの呪霊部屋に閉じ込めるという恐ろしい行為をしたことが原因ということもあってあまり責められることはなかった。



問題は、この乱闘を日切に私と禪院直哉がいい感じの関係である、ということが明るみに出てしまったことだった。



というかもともと、大体の人が気づいていたことだと思う。

確証がなかったから、誰も何も言わないでいただけで。



それまで黙っていた人たちが、禪院直哉が大激怒した事を根拠に挙げながら私たちの関係性への疑いを徐々に口に出し始めた。






A家と禪院家が恋愛関係になることは禁止されているはずだ

次期当主ともあろう人が使用人ごときに惑わされるとはどういうことだ、と。

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