2話 跡 ページ3
少しの沈黙の後、悪魔が口を開く。
「…おっと、まさかオレちゃんが見えるんですか？
それは…中々鬼ヤバですね〜！
オレちゃんぜひキミと仲良くしたいです。」
その悪魔は一瞬驚いたような顔を見せたが、次の瞬間、妖艶な笑みを浮かべながら饒舌をふるうと、Aに握手を求めてきていた。
彼女は相手のあまりの余裕さに、圧倒されてしまうも、差し出された手を無視して話しかける。
「あんなに小さな子に取り憑くなんて最低ね。」
「まぁ、そう怒らないでください。
そもそもオレちゃんはサトシくんに取り憑いたりなんてしていないです。」
目の前の悪魔はそう弁解するも、Aは信じていないようで、悪魔を睨みつけるばかりだ。
「分かりました。自己紹介をしましょう。
オレちゃんはブラック、悪魔系ユーチューバーです！
サトシくんとオレちゃんは親友ですよ！」
「自己紹介なんて求めてない。
ユーチューバーだの親友だの胡散臭い言葉ばかり並べて…。」
彼女はポケットに忍ばせた聖水の入った小さな霧吹きに手をかけた。
聖水は悪魔の弱点の一つと言われている。
彼女がその聖水を取り出そうとすると、ブラックと名乗った悪魔は、顔色を変え、彼女の腕を強く掴んだ。
「敵意むき出しじゃないですかぁ〜。
オレちゃん悲しいです。」
一瞬の間に、彼の纏うオーラが変わった気がした。
強気を貫いていたAも、流石にブラックの迫力に恐怖心を抱き、一歩後ずさる。
「…Aちゃん、また今度会いましょう。」
知らないはず彼女の名前を呼ぶと、彼は瞬時に彼女の背後にまわり込み、彼女の首筋に噛み付いた。
あまりの痛みにAが声を上げようとすると、ブラックは彼女の口を抑えた。
歯の食い込む感覚と声を出せないことが、余計に彼女の恐怖心を煽った。
数秒後、ブラックは口と手を離すと、Aは思わずその場に座り込んだ。
彼女の首筋から血が垂れる。
「甘噛みです。この傷のお陰で、オレちゃん、Aちゃんがいつどこにいるか一発です！」
舌舐めずりをした後、彼女とは対照的に楽しそうな様子でそう言う。
「では、また。」
震えのおさまらないAの耳元でそう囁くと、彼はそのままどこかへ飛び去ってしまった。
(また妙な正義感で厄介なことになってしまった。)
Aは目に涙を滲ませ、後悔の念に駆られていた。
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米 - めっちゃいいです！ーーーーー！！！更新おねがいします〜〜 (11月27日 20時) (
レス) @page22 id: 391b553e6b (このIDを非表示/違反報告)
さじ(プロフ) - ストーリー性があってすごく面白いです！これからも楽しみにしていますっ！ (2021年10月28日 0時) (レス) id: c7307675fc (このIDを非表示/違反報告)
ゆいろ - めちゃくちゃ面白いです､､､！ＢＣの小説の時点で神なんですが、それに加えてヤンデレ&読みやすくて、もう最高です、、、！更新待ってます！ (2021年8月24日 22時) (レス) id: 56d14b10d4 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年8月2日 12時) (レス) id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
見切れる人。(プロフ) - いなりさん» 応援ありがとうございます！励みになります！いなりさんのBC短編小説もいつもニヤニヤしながら楽しませていただいてます(´∀｀) (2021年2月21日 22時) (レス) id: 09a404df72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：見切れる人。 | 作成日時：2021年2月1日 1時
