黄金の眠り姫に下されしジャッジメント ページ3
授業が始まってから、隣の奴は板書もしないでノートに貼り付く。
超真剣に何を描いているのかと言うと、やたらクオリティの高い魔法陣。いつもの光景である。
「シゲ…」
「なに？…あっ、…如何した慶一郎よ」
急に話しかけられても素が出やすい。
「今度は何それ？」
「魔力を増幅する魔法陣だ」
よほど手越に絡まれて衰弱したのか、力を蓄えなければならないらしい。
「人間の身体とは不便なものよ…。強力な魔力に耐えられぬ癖に、力が衰弱するのは早い。いつまで此処に拘束されなければならないのか…。この仮初めの身体にはほとほと嫌気がさす。」
「シゲはそれ、本当の姿じゃないんだ」
「当然だ。吸血鬼の末裔だと説明した筈だが。」
ククク…と如何にも悪役みたいな笑い方をする。俺は今のシゲちゃんの姿が一番好きだよ。
「じゃあ次の問題、加藤！」
「あっ、はっ、はいっ」
さっきの暗黒の微笑(笑)は何処へやら。
いきなり当てられて、大慌てで立ち上がる。
シゲの凄いところは、全く話を聞いてなかったのに頭が良い故に答えてしまうところ。
勉強が出来て、顔も文句無しの美形なのに、唯一残念なのがその厨二病。まぁ…ギャップが可愛いんだけど。
「はい正解」
ほら、どんな問題でも秒殺。
そして正解できた時、必ず俺を見て無邪気に笑う。
満点のテストを親に持ってきた時の子供みたいな顔。
「さすが。魔法陣描いてたとは思えないね」
「んふふ」
あと、褒められるのがお好き。
人懐っこい子犬みたい。
「じゃあ次、増田！」
ちなみに増田は毎時間爆睡しているので答えられるはずも無く、怒られるのが日常茶飯事である。
「こら増田起きろ！」
「んぅ〜〜…」
ゴシゴシと顔を洗う猫みたいに唸るまっすー。後ろで手越がにやにや笑っている。
「あとで目が覚める魔法でもかけてやってよ」
「魔界から召喚されし幻獣を貴様らにお披露目しよう。増田の目が冴える程の…な」
なにそれ怖ぇー。
まっすーの嫌いな虫って事かな。
さっき描いてた魔法陣の上にカブト虫でも置けばそれっぽく見える…かも？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 78人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
chaimai#(プロフ) - イチゴタルトさん» ありがとうございます！1番！？うわー光栄です！番外編はまたネタが集まり次第...ですかね！笑 (2018年5月31日 10時) (
レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
イチゴタルト - すっごくおもしろかったです！ これまでで見た小説の中で一番すきかも(笑) 番外編書いてくれると嬉しいです！ (2018年5月29日 19時) (レス) id: 74a386a12e (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - 慶也さん» 最後まで読んで頂いてありがとうございます！終わりを悲しんでもらえる話がかけて良かったです…。(ﾉ.･)<紳士淑女の皆々様…また会おうぞ…。 (2018年2月8日 20時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
慶也 - 完結おめでとうございます！毎日楽しみにしていた作品で、おわるのがかなしいです…。 (2018年2月8日 17時) (レス) id: 70d225106c (このIDを非表示/違反報告)
chaimai#(プロフ) - しげこさん» 最後まで読んで頂き、更にあ名残惜しく感じて頂きありがとうございます。(ﾉ.･)暗黒の魔界へ誘り奉る…。今宵また会おうぞ人間どもよ。……との事です。 (2018年2月8日 1時) (レス) id: 66c8a59a90 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
