♡ 6 ページ6
世界で1番嫌いな教科が最後の授業やと
全てが諦めの境地に入る。
ということでさっきとは逆に、前の重岡の背中に
隠れ…られてないやろうけど意識を暗闇に落とした。
おかげで教科書どこまで進んだんかも、
黒板に書かれてあることも何にも分からん。
まぁええや、テスト前なったらまたセナにお世話になるから。
「Aさんよー寝てたな!おはよ!もう授業終わったで!」
いつの間にかバスパンに変身している重岡がこっちを向いている。
バスケ部か、ご苦労なことやな。
『まぁあの先生お気に入りしか当てへんから
寝てても支障ないしな』
こちらもバスパンに変身した…小瀧。
小瀧もバスケ部なんや、観客多そうやね。
てかもう終わったならはよ部活行かんでええんかいな。
「はやく…部活行きーや、」
重岡の隣の席に腰を下ろした小瀧。
2人で顔を見合わせる。
なんか笑ってるで。
あたしなんかしたっけ…怖いな…
『俺が言うん?俺多分好かれてへんからしげが言うて』
「なーに言うてんねん、お前が言い出したんやろ」
『ぐぬぬぬ。勇気出すで』
「おー出せ出せ」
な、なんですかね。
周りにまだ残ってる人いっぱい居るけど、
それらの人の声が全く聞こえへんくなるぐらいには緊張する。
イケメンに勇気を出させるほどのことをしてしまったやろか…
『あんなAさん、Aさんて部活入ってへんよな?』
「入ってないけど」
あぁぁ、もうちょっと柔らかく言えへんもんかね自分!
心と言葉が一致せーへん!
『せ、せやからさ、そのー…バスケ部…マネージャーしてくれん?』
言い終わってからきゃっ!恥ずかし!と乙女みたいに
顔を隠してチラチラこっちを伺っている。
よー言えたな!と隣で重岡がバシバシ肩を叩いてるけど…
え、マネージャーって…タオルとかドリンクとか渡してる
女やんな?
「…何であたし?」
237人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:カジャ | 作成日時:2022年9月12日 21時