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失言だった、と呟いたAと並んで浴室に行くと、ばしゃばしゃと水音が聞こえた。


A「まだだれか入ってるんじゃ?」
雑渡「ちょっと見てくる〜」


入り口にAを残して入り、声をかける。


雑渡「開けるよ〜、あ、なんだ陣左と尊奈門か」
高坂「あ、すみません。小頭、まだ入ってなかったんですか」
雑渡「いや別にいいよ。最後の方がのんびりできるし」
高坂「お背中流しましょうか」
諸泉「私が!私がやります!」
高坂「私が先に言ったんだぞ、尊奈門」
諸泉「私の方が声大きかったです」


わんわんと響いて聞こえてくる声にAが「アホらしい」とぼやいた。


雑渡「んー、今日はいいや。Aちゃんと入るから」
A「は、ちょ、わざわざ二人に言わなくたっていいでしょう!」


入り口から響くAの怒声に雑渡はあははー、と返す。


雑渡「てことだから」
高坂「尊奈門、出るぞ」
諸泉「はーい」
雑渡「なんか急かしたみたいでごめんね?」
高坂「そろそろ出るところでしたのでお気になさらず」
諸泉「なさらず」


しばらくして寝巻きに着替えた二人が出てきた。


諸泉「小頭の火傷跡の乾燥を防ぐ軟膏、一番右のカゴに入ってるので湯上りに塗ってくださいね」
A「うん……分かった……」


寝巻きを顔の前に持ってきたまま頷いたAをなんとも言えない表情で会釈した尊奈門の襟首を高坂が掴んだ。


高坂「行くぞ」
諸泉「ごゆっくりどうぞ」
A「はい……おやすみなさい……」


早歩きで廊下の暗闇に消えていった二人を見送り、ようやく顔を隠していた寝巻きを下ろして脱衣所に入った。
口布を取り帯を解いてさっさと脱いでいく。
雑渡には目もくれない。


雑渡「怒ってる?」
A「少し」
雑渡「仕事中は接触禁止されたから夜にくらいいちゃいちゃさせてくれても」
A「だったら条件があります」


ばしん、と畳んだ寝巻きを叩いて言う。


A「人前では止める、口外しない」
雑渡「Aちゃんが嫌なら止めるよ、ちゃんと条件も守る。
その代わり、二人だけの時は甘えさせてよ」
A「構いません」


機嫌が直ったのか、雑渡の包帯を解くのを手伝い始めた。解いた包帯を束ねておき、手ぬぐいを持ってはいる。桶を拾い上げるAを雑渡が凝視していた。


雑渡「……………」
A「何ですか、じっと見て」
雑渡「いや、きれいな肌だなと思って。色白だし」

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設定タグ:忍たま乱太郎 , 雑渡昆奈門 , タソガレドキ   
作品ジャンル:アニメ
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みずけい - すごい…お上手ですね!絵も作品も設定も!とても面白いです。尊敬しちゃいます (1月6日 16時) (レス) @page26 id: 56c1fb1e39 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 涙さん» ああ!!すみません変換完全にミスりました!ありがとうございます! (2019年10月13日 19時) (レス) id: 31c0208f5b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 92話祝元になってますよ? (2019年10月13日 19時) (レス) id: 5e09944bd4 (このIDを非表示/違反報告)
彼は誰時 - 最近、組頭に沼ったのですが…ここが楽園か……最高です!まったり更新待ってます! (2019年10月13日 19時) (レス) id: fd426a3898 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - 名無し65455号さん» ありがとうございます!ミスってました直しときますね! (2019年9月17日 15時) (レス) id: 14131fd91c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:乾 巽 | 作成日時:2019年8月17日 11時

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