黄昏の契り２【忍たま乱太郎】【雑渡昆奈門】

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A「ドクタケ城城主が今暗殺されれば必然的に敵対するタソガレドキが疑われます。それに、城主の死を契機に、ベニテングタケがドクタケ軍を加えてこちらに向かってくる可能性もあります。
二城の軍が攻めてこれば、いくらタソガレドキといえど危険です」


タソガレドキの忍び里は、タソガレドキ領内の端にある。城下から洞窟を抜ける入り方と、裏側のだだっ広く広がる森の二箇所から入れるが、城下まで進軍してくるとは思えない。
つまり裏の森からくる。
この里の人数では１城を相手にするのが精一杯だ。


A「死んでは疑われます。動けずとも死んでいない状態にするには、眠らせてしまうのが一番いいと思います」
組頭「霞扇用の眠り薬ではそう長くは持たないぞ？少なくとも丸一日眠らせ続けねばならないうえに、量を間違えると死なせてしまう」
A「眠り薬を吸わせ続けるんです。部屋で焚かれている香を入れ替え、城の重要人物を全員眠らせれば軍は動かしようがありません」


余裕があれば糧食を奪うこともしたが、今はそんな暇はない。


A「糧食を燃やしてしまうのもありですがもったいないので」
組頭「なるほどの。押都、眠り薬の用意だ。黒鷲を数人、伝令役の隼を伴わせてベニテングタケに向かわせろ、私は殿に報告してくる。残りのものは月輪と狼と共に武器弾薬の用意を。
隼から一人オーマガトキに行った奴らを全員呼び戻させろ！」
押都「はっ！」


ばっと散って飛び出していった人達に続いて煙硝蔵に走りながら昆奈門様と話す。


雑渡「火縄銃や火器は使えるね？」
A「ある程度なら」
雑渡「森と里の間には二間ほどの崖があるからそこに逆茂木を立てる。陣営具自体は一定数常備してるから、ベニテングタケの規模にもよるがそうやすやすと落ちることはない。
この里は天然の要塞だ。
後方は高い岩壁が阻み、前方も崖がある高地の里だから。人間頭上からの攻撃に弱い。
水源を守ることは考えなくていい、水源の湧き水は里の山のさらに上だ」
A「山から侵入されることはないんですか？」
雑渡「山か？麓周辺は常にタソガレドキの猟犬たちが過ごしている。侵入者があれば噛みちぎるし、遠吠えで知らせてくれる。
万が一犬たちを抜けても山の中は罠だらけだよ。
なんせ村の子供たちが幼い頃から罠の作り方を実践して、撤去してないから。年々罠の数が増えていくし」
A「じゃ、私達も通れないのでは」
雑渡「木の上走ればいいんだよ、私ら忍びだし」

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