トイレの太郎さん（女）ですが何か？【地縛少年花子くん】

未来改変 ページ37

今まで繰り返し読んできた未来はどこにもなくなっていた。
いつ書き変わったのか、どこで未来が変わったのか、それすら分からない。
土籠は、うすら寒いものを感じページをめくり続けた。一人目の未来改変者の少年は、続いていく筈だった未来を失った。なら、二人目の少女は。

読み進めれば読み進めるほどに、後悔した。

知りたくなかった。
知らなければ良かった。
書き変わる前の未来を信じていたかった。


高等一年、夏休みの前日。
それが新たな少女の寿命だった。
彼女は、罪を償い続けるために怪異になることを選んだ。土籠に恋慕の情を伝えることもなく、全て覆い隠したまま命を終える。


「七三A」と題された本。
書き換わる以前の内容は、その未来はどこにも無くなってしまった。土籠の記憶以外には。
少女本人すら知らない、ある筈だった、今はどこにもない未来。

だから土籠は、その“ある筈だった未来”の記憶に蓋をした。初めから、そんな幸せな未来は存在しなかったのだと思うようにした。
そうでもしなければ少女の顔を見ることができなかったのだ。
向けられていた微笑の下に好意がひた隠しにされていることを知っていても、本には「好意を告げぬまま死ぬ」と書かれていた。


________最初からこういう未来だったんだ。幸福な未来なんてなかった。幻想だ。幻だ。
存在しない未来だ。


彼女が寿命を迎え、怪異となった日。
本当なら、婚姻の前夜に明かされる筈だった罪の告白を聞き、「未来は分岐していない」と嘘をついた。


今はもうない、消えた未来の話。




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もしも未来が書き変わらなかったら、というお話です。↓

えっちいです。
設定変えないと見れない人もいるかも…。


タイトル検索で

あったはずの未来


で調べたらフラグつけたやつがでてくるのでそれです！今後もよろしくお願いします！

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