土籠先生 ページ33
「土籠来ないねぇ」
「忙しいんじゃない？」
梯子に腰掛けながら足をぶらつかせる花子くんをたしなめる。花子くんは本をパラパラめくる私の手を掴んで止めた。にやーっといたずらっぽく笑っている。
「？」
「忙しいんじゃない、なんて素っ気ないふりして〜。
土籠のこと大好きでしょ？Aってば」
ぽひゅん、と頬が上気するのが分かる。生きている間の感情表現の記憶がそれを起こしていると知っていても、まだコントロールできない。
特に土籠先生の件に対しては。
「…昔の話でしょ」
「生きてる間にさ、言えば良かったのに。
あの時だって土籠はこれからAがどうなるのか知ってたんだから全力で頼み込めば一晩の夢くらい、イダダ、イタイいたい、ギブアップ！」
「元担任を犯罪者にするつもり？」
手に添えられている花子くんの手を思い切りつねりあげたのだ。本を読み直す気にもなれなくて本を閉じ、目を伏せながら返事をする。
「土籠先生は、私の未来は一つも変わってないって言ったもの。あの時私は何も伝えなかった。それも全部未来通りになってるのよ」
「でも、まだ諦められてないんでしょ？
永遠を過ごす怪異になっちゃって死別できるどころか土籠も怪異だったんだから。
______今なら望めば叶うかもよ？」
花子くんと私の関係は、ひどく歪だ。
恋人というにはあまりに奔放で、友達というには少しスキンシップが過剰。
かけがえのない相手であるのは確かだしお互いどちらかが居なくなることには堪えられないだろう。
触れられることも交わす口づけも、学生同士のお付き合いのような健全なものだ。
ずっと話していたい心地よさも、わがままも可愛らしくて愛おしさがある。
大好きだ。
好きあっていて、それを恋人と呼ぶならそうなのかもしれない。
けれど、土籠先生にいだくような感情と花子くんにいだく感情は別物だ。
男子は実年齢より４歳幼く、女子は４歳大人だというから実年齢を計算しても私の精神年齢は花子くんと１歳違い程度だ。
なんなら私の方が上だろう。
子供っぽいだとか、マセガキだと思ってしまうのも仕方がないのかもしれない。
腹の奥に仕舞い込んだ初恋の延長線上。
愛されたい、抱きしめてほしい、包み込むように。
「土籠はダメって言わないと思うよ？良いって言うかは別として」
「それ答えないって結論でしょ」
「土籠は本読んで何でも知ってるんだから遠慮する必要ないでしょ〜」
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ほのか - やばい。私の好みにどんぴしゃり！ (2020年8月4日 9時) (
レス) id: ef884c23cc (このIDを非表示/違反報告)
?返事がない、筆記試験終了の安心で寝ているようだ(プロフ) - ひえっ、めっちゃ細かく考えられてる、すげぇ… (2020年2月15日 8時) (レス) id: e085487720 (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» ですよね!!うぅ〜......土籠先生... (2020年2月5日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
乾 巽(プロフ) - すばるさん» そうなんですか…いきなりログインできなくなる系困りますよね (2020年2月2日 17時) (レス) id: a83f0b56fb (このIDを非表示/違反報告)
すばる - 乾 巽さん» わああ!!ありがとうございます!!!それがですね、設定ってどこぞや?と思って血眼で探したらログインしないと出てこない系でした...Wii Uなんで、前ログインできてたんですけど何故か去年の夏からログイン出来なくて...ぴえん(；ω；) (2020年2月2日 17時) (レス) id: f38b18c5a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：乾 巽 | 作成日時：2020年1月19日 11時
