トイレの太郎さん（女）ですが何か？【地縛少年花子くん】

寂しいね ページ24

ヤシロの寿命があと一年もないことは、Aの前例もあって確定してる。
かつての自分がそうだったように、ヤシロが死の直前まで他愛ない話をして楽しく過ごせるように。


「私の時は結果として怪異になったから今もここにいる。本ではそういう未来だと決まってた。

でもね…私はあの時未来なんてわからなかった。失敗して消滅するのかもしれないと恐れてたし、消えても死んでも構わなかった。いちるの望みに賭けたの。

あのまま死を待っているよりは、って思ったから。
花子くんと過ごした半年はすごく楽しかったし充実してたから。あれだけ楽しかったら、死んでも後悔しないと思った。

寧々ちゃんの死の未来は変わらない。もしかしたら私みたいに怪異になるのかもしれないし、そのまま成仏しちゃうかもしれない。
どっちにしても余生は楽しく過ごしたいよ。
私がそうだったから」


死の未来は確定未来としてそこに存在する。
変えることはできない、変えてはならない世界のルール。
その中でせめて余生を楽しく過ごせるようにしてあげたいと思うのは、無慈悲だろうか、無情だろうか。

顔を伏せると、長い前髪がAの目元を隠した。


「……寂しいね」
「…そうだね。寂しい」


遠くない未来、死んでしまうヤシロ。
Aが俺と出会って未来通りの寿命を迎えたように、ヤシロは俺と出会った。
そういうことって、繰り返されるんだろうか。


「輪廻転生、なんて分からないけど寧々ちゃんはきっとどこかで生まれ変われるよ。いい子だもの…」


ヤシロの寿命まで、あと××日。



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人物紹介


怪異名:トイレの太郎さん

本名:七三(しちさん)A享年１６歳
所属:かもめ学園高等部一年三組(生前)
成績:真ん中より上、三分の一より下だった
好物:ブラックコーヒーとバニラアイスと焼き鳥
武器:分解された裁ちばさみを一本ずつ左右に握ってナイフのように振り回す
性格:穏やかで大人しいが本気で怒ると長く根に持つ。大抵のことでは怒らない。怒ると足がでる


可愛い女の子が好き。寧々のことは、「公立中学校時代の友達に似てて可愛いから好き」って思ってる。
↓
磯貝光里(いそがいみつり)
Aの昔の友人、まだ存命。ちなみに孫がかもめ学園中等部一年にいる
小柄天然ポニテ美少女(当時)
※作者のリア友がモデル、てかほぼ本人です。花子くん小説を書いてると言ったら、「私出して！」と言われたので。
私情ですみません(土下座

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