アリアーブ・ナーリヤ27 ページ10
◇
「A、どっちのを使うんだ？」
「もちろん俺のだよな」
『ふ、2人ともどうしちゃったのっ？』
「(そろそろ助けてあげよっかな)ねえ、Aちゃん。せっかくだからどっちも借りちゃえばいいんじゃない？」
『……あっ！ はいっ、そうします。カリム、ジャミルくんありがとう。上着をとブランケットお借りするね』
ケイトからの助け船にAはその選択肢があった、とカリムの上着を肩から羽織り、足の上にブランケットを広げる。
カリムは「似合ってるぜ！」と笑みを浮かべ、ジャミルは「すまない、君のことになると譲れなくてね」と落ち着きを取り戻した。
車はカリムの家を目指して進み、【絹の街】のメイン道路といえる道路に合流した。
「片側4車線の幹線道路か。交通インフラは、かなり整備されているんだな」
窓の外を見るトレイの視線の先には片側4車線の幹線道路。
交通量も多く、様々な車種の車やマジカルホイールが走っている。
「熱砂の国は、自家用車の所有率が高いんです。この国の住人たちが、いくら暑さに強いといっても、歩いて行動するには限度がありますから。車から降りずに用事を済ませることが出来るドライブスルー店が多いのも、その理由ですね」
「車もマジカルホイールも派手な色ばっかだ！ 目がチカチカするんだゾ」
「人とは違うオリジナリティーを出したい連中が、カスタマイズで個性を出しているからな」
『わあ、あのマジカルホイールの色凄い。デュースが見たら喜びそう』
「そういえばデュースはマジカルホイールが好きだったな。写真を撮って送ってやるといい」
『でも、勝手に撮ってもいいのかな』
外の景色の写真を撮ってはいたが、人を許可なく撮ることは良いことではない。
マジカルホイールを撮るということは、運転しているドライバーも写真に撮ってしまうということ。
後でアプリなりで加工すればいいのだが、Aは勝手に撮ることに気兼ねあるようだ。
そんな真面目なAにジャミルは好印象を抱きつつ、窓の外を指さす。
そこにはリムジンと並走して走る、艶のあるブラックカラーのマジカルホイールに乗ったドライバーがAのことを見つめていた。
▶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 美咲さん» 美咲さん、コメントありがとうございます(*^_^*)楽しんでいただけて嬉しいです！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります✨ (2021年10月4日 21時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 素敵な作品ですね！いつも楽しく見させてもらってます！ (2021年10月4日 11時) (レス) id: 63ae0527ed (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 星猫さん» 星猫さんありがとうございますっ(*^_^*)ついに16本目に突入しました！ (2021年9月24日 23時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - タブレットで操作しています!続編おめでとうございます! (2021年9月24日 16時) (レス) @page1 id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年9月24日 16時
