アリアーブ・ナーリヤ29 ページ12
◇
『撮った写真をデュースのLIMEに送って……あっ、もう既読ついた……って、あれ？』
マジカルホイールの写真をメッセージと共に添付する。
すると送った写真の横に既読マークがつき、メッセージが届いたのだが、そのメッセージはデュースからではなくエースからのものだった。
「デュースなんだって？」
『デュースに送ったんだけど、エースから返事がきたの。えっと……【Aから送られてきた写真でデュースがテンション上がりすぎてうるさいんだけど。オレに迷惑かけてる責任として今すぐ帰ってきて】……だって』
「エース……どれだけAちゃんに帰ってきてほしいんだ……」
ユウにはエースのAと一緒にいたい、という気持ちがヒシヒシと伝わってきているのだが、等の本人は『一緒に来られなかったから拗ねてるのかな』とエースの気持ちは伝わっていない。
これは帰ってからしばらくぐちぐち言われるのを覚悟しないといけなさそうだ、とユウは思った。
◇
Aたちを乗せた車はファストフード店やカフェなどが立ち並ぶ賑やかな幹線道路を抜ける。
Aが景色を楽しんでいると、看板があるのが見えた。
車の速度が速く、全ての文字を読むことはできなかったが、看板には【アジーム公園】と書かれていたのは気のせいだろうか。
カリムのファミリーネームがついている公園の名をAが不思議に思っている間にも車は進む。
5分程走っただろうか。先程までは飲食店や服飾店などが多かった道端は街路樹など緑が多くなってきた。
「緑が多くなってきたな。さっきまでの街の喧騒が嘘のように静かだ」
「オイ！ でっかい公園が見えてきたんだゾ！」
座席に立ち上がったグリムが飛び跳ねながら指をさす。
そこには観光客が暑さを凌ぐためにあるのだろう、屋根のついた遊歩道。遠目からでも目を引く孔雀の彫刻があった。
「みんなで散歩してみるか？ ここを通り抜ければ、すぐにオレの家なんだ〜」
「あ、それいいね。綺麗な公園だし、良い写真撮れそう♪」
「わかりました。車を止めてもらって、ここからは歩いて向かうことにしましょう」
ジャミルが運転手に車を止めてもらうよう伝えると、車は緩やかに速度を落とし停車する。
入り口に近い者から車外へ出たのだが、快適な車内にいたせいか外に出た途端猛烈な暑さを感じ、屋根のある遊歩道へと足早に移動した。
▶
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1544人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - 美咲さん» 美咲さん、コメントありがとうございます(*^_^*)楽しんでいただけて嬉しいです！これからも楽しんでいただけるよう頑張ります✨ (2021年10月4日 21時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
美咲(プロフ) - 素敵な作品ですね！いつも楽しく見させてもらってます！ (2021年10月4日 11時) (レス) id: 63ae0527ed (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 星猫さん» 星猫さんありがとうございますっ(*^_^*)ついに16本目に突入しました！ (2021年9月24日 23時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - タブレットで操作しています!続編おめでとうございます! (2021年9月24日 16時) (レス) @page1 id: 8c51e3f139 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年9月24日 16時
