リクエスト ページ42
◇
「うわあ……今日の空は一段とすごいな……」
お風呂上がりでまだ少し濡れた髪をそのままに、オンボロ寮の玄関を開いたユウは、満天の星空の美しさから言葉を零した。
「……あれ？」
ここにいるのは自分1人だと思っていたユウは視線を下げた先に芝生の上に座り、空を見上げるAの姿を見つけた。
時折吹く風がAの柔らかい髪が揺れていた。
星空を見上げるAの横顔はとても綺麗で、このまま彼女が空を見つめると空に消えてしまうのではないか、という思うほどの儚さに、目が離せなかった。
「Aちゃん……？」
『あ、ユウくん。ユウくんも夜のお散歩？』
「僕はなんとなく出てきたんだ」
『そうだったんだね。ユウくん出てきて正解だよ。今の時間は星空が凄く綺麗に見えるの』
Aの隣に座ったユウはAと同じように空を見上げる。
暫くの間、2人は無言で星空を見つめていた。
『世界は違っても、空は同じなのかなって思ってたの。……でも、違うね。日本だとこんなに綺麗な星空は見られないもんね』
Aの言葉にユウは頷く。
自分たちが住んでいた街は大都会と言われる規模の街だ。
車からは排気ガスが撒き散らされ、空に向けて伸びる高い高層ビルが建ち並ぶ街。
朝も、昼も、夜も眠る事を知らない明るさがあり、星空を見上げることなどユウは片手で数えるほどもしたことがなかった。
「Aちゃんとこの星空を見られて……僕、嬉しいよ」
『ユウくん……、私も嬉しい。また一緒に見ようね。今度はグリムも一緒に』
「えー、グリムは星空を見ても「食えねえモンには興味ねぇんだゾ」なんて言いそうじゃない？」
『あははっ、グリムのモノマネ似てるっ。それじゃ……私とユウくんだけの秘密だね』
「……うん。僕と、Aちゃんだけの秘密」
くすくすと笑うAにユウは愛おしさを感じる。
エースたちとではなく、自分とAだけの秘密。
2人だけの秘密。
もしもユウが元の世界に戻っても、今見ているこの星空を忘れることはできないだろう。
星空が美しいということもあるけれど、自分の隣にAがいたということがユウはなによりも嬉しかった。
◇◆ここの呟き◆◇
リクエストいただいた 儚げに星空を見上げる夢主ちゃん でした
儚げにできていますでしょうか……？
リクエストありがとうございました！
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翡翠 - リクエスト受けてくださりありがとうございます！ここ様がかき終わるのをお待ちしております！ (2021年6月24日 16時) (
レス) id: 8ff121e900 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 翡翠さん» 翡翠さんと翡翠さんのお姉さま、リクエストありがとうございます^ ^リクエスト、かしこまりました。 (2021年6月23日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - スピカブラックさん» スピカブラックさん、リクエストありがとうございます^ ^カリムとアズールの取り合いのお話と、フロイドとリドルくんが入れ替わるお話、お時間をいただくことになりますが、かしこまりました。 (2021年6月23日 22時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
スピカブラック - もう一つリクエストでフロイドとリドルが入れ替わって夢主ちゃんに助けを求める話がいいです！ (2021年6月23日 17時) (レス) id: 7ca7b99cb8 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 1人何回でもokなんですね！わかりました！では、早速リクエストで、ヴィルによってお化粧をした夢主ちゃんがみたいです！あと、姉からで、ヴィルとルークが夢主ちゃんを取り合いするお話がみたいそうです！ (2021年6月23日 17時) (レス) id: e3fc381a9a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年5月4日 13時
