出会い ◇レオナ◇ ページ6
◇
レオナと初めて会ったのはAが3歳の頃だった。
祖母に連れられてやってきた自分の住んでいる薔薇の王国以外の国。
Aは全てのものに興味津々だった。
しばらく馬車に揺られていると揺れが止まり、扉が開くと耳の生えた獣人と呼ばれる種族の人が手を貸してくれる。
その人は、この国の第一王子ファレナだった。
「遠方からよくぞ来てくださいました。私は第一王子、ファレナと申します」
『おうじさま？』
「ええ。貴方のお名前を聞いてもよろしいですか？」
『Aです』
「素敵な名だ。私には弟がいまして。私はもちろん、是非弟とも仲良くしていただきたい」
『こちらこそよろしくおねがいします』
「A上手にご挨拶出来たわねぇ」
祖母に頭を撫でられ嬉しそうに笑うAに周囲は癒されていた。
大変可愛らしい！ と豪快に笑うファレナに抱き抱えられお城の階段を上っていく。
友人に会いに行くと、祖母は言っていたが王族の友人とは聞いていなかったがとても優しい人たちでAは安心した。
階段を上った先に誰かが壁に寄りかかってこちらを見ている。
透き通った翠色の瞳とAの瞳が重なった。
「レオナじゃないか。ちゃんと出迎えに来たんだな」
「あんだけしつこく言われりゃ来るしかねぇだろ。次期国王様自らお出迎えするヤツがどんなのか見に来てやったんだよ」
「そうかそうか。レオナ、こちらエルフィーネ様のお孫でAだ。A、これが私の弟のレオナだ」
『れおくん？』
「俺をくん呼びするとはいい度胸だなァ、この草食動物が」
レオナはグルルル……と喉を鳴らしてAを威嚇するがAは怯えるどころかずっと笑っている。
「はははは！ レオナ、まだまだ唸り声を練習する必要がありそうだな！ そうだ、Aを部屋へ案内してやってくれ」
「なんで俺が」
「もう午前の授業も終わって暇をしているんだろう？ 任せたからな。くれぐれも失礼のないように。A、夕食の時にまた会おう」
『はい、ふぁれなさま』
「……チッ。さっさとついてこい、チビ」
『はーい』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 452人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ここ(プロフ) - スイさん» ちょうどマレウスとの出会い編を書いていたのでそちらにディアソムニア全員出すようにしますね^_^子猫のお話、いいですね！どちらもリクエスト了解しました^_^応援ありがとうございます(*^_^*) (2021年2月10日 20時) (
レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 嬉しい！ありがとうございます！！では、《ディアソニアと出会い編》と《夢主ちゃんが子猫になってしまった話》を読みたいです！楽しみに待って応援します！頑張って下さい！ﾟ+(人・∀・*)+｡♪ (2021年2月10日 18時) (レス) id: b731ff840f (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - スイさん» スイさん早速読んでくださりありがとうございます^_^良いと言っていただけて嬉しいです。はい、お時間いただきますがリクエスト大丈夫です♪ (2021年2月10日 18時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
スイ - 待っていました、本当に書いてくれてありがとうございます！とても嬉しくて良いリクエストです♪またお願いしても大丈夫ですか(*´･ω･｀)？ (2021年2月10日 17時) (レス) id: b731ff840f (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ひなさん» 6歳ですね、了解しました！^_^ (2021年2月8日 12時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ここ
| 作成日時：2021年1月16日 22時
