リクエスト ページ32
◇
『今日もいるかな』
Aはどこか浮足だった様子で小ぶりな紙袋を大切そうに胸に抱きしめて校舎の中を歩いていた。
エースたちは周りにいなく珍しくA1人のよう。
学園の中庭までやってくると井戸を通り過ぎ、深い草むらを掻き分ける。
『どこにいるのかな……あ、いたっ』
何かを探し顔を左右に動かすAの視界に銀色が見えた。
Aは嬉しそうに微笑むとそちらにゆっくりと歩いていく。
『お待たせ、猫ちゃ…………あれ、シルバーくん……？』
「A？」
柔らかい草の上に寝転んでいるシルバーと目が合い、Aは目を瞬かせる。
Aは数日前、この場所で銀色の毛並みの子猫を見つけた。
次の日もAは子猫に会えることを期待して中庭に向かうと、昨日と同じ場所に子猫は丸くなって眠っていた。
Aの気配に気がついた子猫は小さく鳴き、足に擦り寄る。子猫の可愛さに胸を打たれたAはそれから毎日、子猫に会いに中庭に通うようになっていた。
そんな子猫とAが遊ぶ場所にシルバーがいる。シルバーの顔に擦り寄る銀色の毛並みの子猫はAの顔を見て嬉しそうに「にゃあ」の鳴く。
「この猫は人懐っこいな。Aの猫か？」
『うぅん。最近会ったの。シルバーくんはどうしてここに？』
「鍛錬をしていると鳴き声が聞こえたんだ。まるで誰かを呼んでいるようだった。そうか、お前はAを呼んでいたんだな」
顎の下を指でくすぐられ気持ちよさそうに鳴く子猫を見つめるシルバーの眼差しは柔らかい。
微笑みながらシルバーの隣に腰を下ろすとAは、持っていた紙袋の中から魚の形をしたクッキーを取り出す。
『はい、約束してたクッキーだよ』
「それは購買部で売っている動物用クッキーか」
『うん。昨日遊んだ時に持ってくるって約束したの』
自分の手のひらに置いたクッキーを、小さな口で食べ始める子猫をAは優しく見つめる。
昨日、Aが『明日は良いもの持ってくるね』と約束すると、子猫は言葉がわかったように「にゃあ」と返事をしていた。
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時間の止まったリス - んぁあ゛あ゛あああああああああああああ… ラギー•癒しでかわいい•ブッチ (2022年3月15日 16時) (
レス) id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - 咲希さん» 咲希さん、お題箱へのリクエストありがとうございました(*´꒳`*)またお待ちしております♪ (2021年11月29日 8時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
咲希 - 遅れました！！シルバーくんの話ありがとうございます！！ (2021年11月29日 0時) (レス) id: dcd6ff7333 (このIDを非表示/違反報告)
ここ(プロフ) - ミオさん» ミオさん、お題箱へのリクエストありがとうございました！またお待ちしております(*´꒳`*) (2021年11月16日 0時) (レス) id: e9ce79e520 (このIDを非表示/違反報告)
ミオ(プロフ) - ここさん、お題吸収ありがとうございました！ (2021年11月15日 23時) (レス) @page25 id: 054e3ea455 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ここ
| 作成日時：2021年10月27日 19時
