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19-3:なげつけられたいし ページ22

※みかんside

いたい

さっき杏奈に言われたことが、しつこいほど脳裏に残っている。
選択。凍さんみたいな…奇想天外な発想。

「先生。レイが忠告してたよね?どちらか一方は__って。」

クハーネが僕を蹴り飛ばす。

「ぐっ…」

縛り付けている鎖は近くの壁に巻き付き、僕をその壁へ固定した。

仲間、じゃ…ないのか。あいつらは。
ちらりとスカイのほうを見ると、僕に__
___何だ、あれ。

「いつまで迷ってるの、みかん。大事な仲間に会ったのなら、挨拶くらいしなきゃ」

_僕に、槍を向けてきた。
右腕が貫かれる。

「次はみかんが選択する番だよ?…自分だけ逃げるの?」
「自分だけ何かを達成した気になっているんだろうね、先生は。」

ずっとずっと、そんな言葉を投げかける生徒達。
痛みで頭がくらくらしてきた。けれどここでくたばったら...
…凍さん以外に___。

「あぁ…!煩い!!うるさい…!!!」

もはやすべての許容量を超えてしまった。

「ふふ、やっぱり逃げるんだ。愚者さん」
「でも抗うことも出来ない。滑稽っすね、先生」

スカイとシラホスカが煽ってくる。彼らはまた違うものを手に携えていた。
逃げると揶揄しているが、まったくの皮肉だろう。

__響素には、代償がある。それを制限しているから、響素の使用容量が閉ざされたままなのか。
そう考えていると、シラホスカが手に持っているものを僕に近づけてきた。
…松明?

まるで、魔女狩りだ。

ああ、早く凍さんのところへ行かないと。助けないと。


松明の炎が鎖を伝って僕に移る直前、僕は代償付きの響素(TrueIdentity)を解放した。

その決意を確立させたのは、一瞬空が曇り__凍さんの姿が見えたからだ。
これまでにない絶望を顔に表して…そんな顔見たく無かった。

「はぁ、みかんの大事な仲間に暴力を振るんだ。」
「うるさい、おまえの、げんかくだろ」

鎖を断ち切る。
刹那の余裕を与えないようにするためか、スカイが今度は左腕を狙ってきた。
そんな回避は出来ず、槍の攻撃を許してしまう。

「両腕塞がれたけど。諦めて鍵になればすべてが終わるよ」

__あの鍵探しとは、僕をどうにかするって…意味だったのか?

「失血死なんて先生はしないし、核を衝かないといけないよ」

空は雲で薄く日差しを隠す。しかし日差しはまだ強かった。
無造作に視線を動かし、響素を操る。

急がないと、急がないと。

19-4:忘れた友情の印→←19-2:衰退する思い出



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mofu megane(プロフ) - 桜道 あすかさん» ありがとうございます!励みになります...! (2021年12月30日 23時) (レス) @page4 id: 950de74267 (このIDを非表示/違反報告)
桜道 あすか - 面白そうですね。更新待っております。 (2021年11月23日 12時) (レス) id: 47dc307598 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:mofumegane&黒獅子凍 | 作者ホームページ:youtube.com/channel/UC-31h_OvshlXRHaXmKewceQ  
作成日時:2021年11月22日 22時

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