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「ごめんね、おかずが少なくて…内職の仕事が減ってね…」
「でもお前は何の心配もせんでいいからね。ばあちゃんが石にかじりついてでもお前を大学まで入れるから」
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「それが、あの子にかけた最後の言葉」
「次の日の朝、首を吊った孫と遺書が見つかりました」
「あの子は遺書に全てを書き残していました」
「教育委員会言うところに訴え、ニュースや新聞にも取り上げられたのですが…」
「加害者の生徒の親は、" 言いがかりをつけられ精神的に追い詰められた "として、逆に私を訴えると言ってきました」
「旦那や息子に先立たれて、孫の成長だけが楽しみだったのに…こんな老いぼれた体じゃ、何もしてやれんのが悔しゅうて悔しゅうて……」
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「っつーかさ、勝手にタヒぬやつが悪くね?」
「ってか俺ら無敵じゃね?指一本触れずに人間、タヒなせれるし」
あいつら、か。
俺は道路のど真ん中に並んで歩く奴らに向かって
アクセルを踏む。
もちろん、車と奴らは接触。
勢いよく倒れ込んだ。
「…しつれーい」
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「どうも、先生」
車から降りてきた男には、そう言った。
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場所は前回と同じ倉庫。
奴らは足首を縛り、手首に板をはめて逃げられないようにしている。
「えっ…?ちょっと…え……?」
眠らせていた薬が切れたのだろう、次々に声を上げ始める。
「さて…どないしよか?」
「……え?」
「依頼者からは、内容に対する具体的な指示はなかった」
「被害者の無念を晴らすために、何をしてやろうかって言うてんのよ」
「さて…復讐屋の仕事始めようか」
そう言って俺はガスバーナーを手に取る。
「お、おい君、さっきから何を言っているんだ?」
「わ、私は中学の教師だぞ。こんなことしたら社会的に問題になる」
「馬鹿なこと言うたらあかんで、先生。アンタらのやっとることの事の方がよっぽど世間で問題になっとる」
「なんでもいじめを見抜けなかったみたいやないですか」
「いや、見なかったことにしたんやったかな……?」
「え…何を?!」
男がそう言い終わるか否かのところで、俺は目元に勢いよく炎を噴射する。
「ああああああああぁぁぁ!!!」
「……!」
「どっちにしろ、そんな教師の目ん玉なんか社会に必要ないわ」
「あ……あぁ…」
「え、ちょ、まじ……?」
「次はアンタらの番やなぁ、坊ちゃん」
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作者名:りせっと | 作成日時:2019年10月20日 0時