2:老婆 ページ5
「あの…このゲーム、おいくら?」
「いくら出せるん?」
「年金の…3ヶ月分で」
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……5年前に息子夫婦を事故で亡くしまして
以来中学生になる孫を私が育ててきました。
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「おっ、おい!上!」
〈ガシャンッ〉
いきなり落ちてきた机に周囲がざわつきます。
「わりぃ、手、滑っちった」
「お前の机、天日干ししてやってたんだよ」
「ギャハハ…ひでぇ!」
あの子は…いじめられていたんです。
「ほら、早くやれよ」
「早くしねぇとタヒなせるよ?」
「……」
「なんだ?どうした、急に立ち上がって」
「……ま、ま○こ、ま○こ、ま○こ、ま○こ…!」
「なっ、なんだ!お前!座りなさい!」
「やだぁ…」
「お前授業中だぞ?どんだけヤりてーんだよ」
「マ、マジ超ウケる、ヤバい…」
あの子はもちろん、担任教師に相談をしたのですが…
「え?あれがいじめ?」
「え、いじめ、ですか…?」
「あ、若葉先生…いやいや、勘違いですよ。勘違い」
「それより先生の授業、分かりやすいって評判ですよ!いやぁ…若いのに凄い」
「そ、そんな…先生、もっとちゃんと考えてください…」
「やっぱりいじめが…」
「……岡本、ちょっと会議室に来なさい」
・
・
「どういうことなんだ?!え?若葉先生の前で恥かかせやがって!」
「完全に引いてたじゃねーかよ!なんで俺が!お前のせいでドン引きされなきゃなんねーの?!」
「大体、あんくらいでいじめなんて大袈裟なんだよ」
「ったく最近はガキも親も被害妄想が激しいんだからよ……」
「ああ…そうですか、もう、いいです…」
「…あ?なんだよその態度、え?!」
あの子のとった態度が気に入らなかったのか、
担任はあの子の頬を何度か平手打ちしました。
「文句あんなら親でもなんでも連れてこいよ。あ、お前ん家ばーさんしかいないんだっけか」
「お前来年受験だろう?就職、するか?」
「うっ…す、すみませんでした…。」
・
・
他にもクラスメイトからは色んなことをされていました。
「お前さ、言っとくけど、もし学校とか休んだら夜中にお前ん家行って、お前んとこのばーちゃんボール代わりにして野球やっから」
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作者名:りせっと | 作成日時:2019年10月20日 0時