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「1、2、3!」
品「こんな奴のために…」
ストレッチャーに乗せられた品川さんは
暴れて逃れようとする。
隊員に押さえつけられると
今度は私に問いかける
品「なんで助けた?
俺は香織とひまりと…
殺せよ…殺せよ!!」
私は品川さんの元へ歩き、静かに話す
『あんたなんか大嫌い。
死ぬかと思った。怖かった。
ぶん殴ってやりたいけど
これ以上悪化させたら
あんたを治療する人が可哀想だから許したげる。』
お願いします。
そう隊員に告げ彼を運んでもらう。
終わった。
安堵で立ち尽くす私の肩に
ポンと手を置く喜多見先生。
喜「よく頑張りましたね」
『はい。』
振り返り彼の顔を見ると
今まで我慢していたものが一気に押し寄せてくる。
『本当に怖かった…』
思わず涙が出てしまうと、
その顔を他には見られないよう
私の顔を彼の胸元へ誘導する。
顔をうずめ、
すすり泣きながら少しずつ落ち着きを取り戻す。
その間、彼は
頑張った、よく頑張ったと
背中をさすってくれていた。
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作者名:HATHUTA | 作成日時:2023年6月17日 18時