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「最近ドラケン君は来てないんスか？」
広めのテーブル席を陣取りキッチンにいるAさんに
届くよう大きめの声で喋りかける。
「んー？ ちょこちょこ来てる」
明日の仕込み中のため俺の方を全く見ないAさん。
ここのテーブル席は俺がAさんを助けて以来
お気に入りの席になっている。
「へー 俺とうまい具合にタイミング ズレてんの？」
「それはあるかもねぇ
千冬は学校終わりに来るけど 堅は朝とか夜に来るかんね」
「まあ場地さんが単位やべーから俺は
学校サボったりはあんまないっスからね」
俺の席からはAさんが何を作ってるか
全くわかんねぇが 右を向けば大きな窓
左を向けばAさんがいつもいるキッチンがある。
Aさんと距離はあるものの
美人がキッチンに立っている姿は映える。
少女漫画のワンシーンみたいじゃね？
もちろんドラケン君がいつも座ってるというカウンター席、
俺が座るなんてあまりに烏滸がましいというのはある。
ただそれを差し引いても 別のカウンター席よりも
ここが俺は好きだ。
「千冬ー ちょっと味見してみて」
「っス 明日のランチっすか？」
右側の窓から放課後に寄り道している学生や
ダチと遊んでいる小学生をぼんやり眺めていると
後ろからAさんの声が届き キッチンへ向かう。
「これはカフェの方の新作考え中」
Aさんの隣に立つと甘い香りがした。
俺のお気に入りの席からは香らなかったものだ。
スプーンに掬われたスイーツを見つめ、受け取るか悩み
そのまま口に運んだ。所謂、あーん。
「うっま」
「おお？ ほんと？」
「めっちゃうまいっスよこれ！」
「よかった〜 明日出しちゃおっと
あ、千冬 晩御飯食べて帰る？」
「……いいんすか？」
Aさんの料理はめちゃくちゃうまい。
普段の俺なら喜んでいただきます！と即答する、が
ドラケン君のことを思うと変に罪悪感を覚える
「うん 一緒に食べたほうが寂しくないしね」
「Aさんっていつも一人で食ってるんスか？」
「そうだよ あとタイミングが合えば
堅と一緒に食べるくらいかなぁ」
ドラケン君とも一緒に食ってんのか。
安心したような気持ちになるが、
ほんっっっっの少しだけもやっとした。
「晩飯、作んの手伝います！」
「あはは ありがとう じゃあ一緒に作ろっか」
この前のエプロンを差し出すAさん。
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れ(プロフ) - aicoさん» aico様 コメントありがとうございます！とても励みになります！更新頑張ります☻ (12月29日 12時) (
レス) id: 25515adda2 (このIDを非表示/違反報告)
aico(プロフ) - なんだこの作品サイコーすぎる見つけれて良かった😭更新頑張ってください！ (12月28日 12時) (レス) @page28 id: a3a2c4d69d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れ | 作成日時：2023年8月5日 12時
