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ビクター･グランツ ページ42
ポ「ウィック、今日もお疲れ様」
愛犬をひとなでして机の上に置いてある
手紙の封を切る
手紙には少し丸い字が並んでいた
拝啓 ビクター･グランツ様
今日は新衣装"追憶の果て"が届いた
ここに来る前に彼と見ていたドレスに酷似している
嬉しくはあるが複雑な気でいる
ナイエルさんが私の前を歩き泣いていた
私にバレないように目元を拭っていた
彼女は優しい
ジルマンさんも気まずくならないようにしてくれた
彼女の目には隈ができていた
レズニックも未だに部屋の前で語りかけてくれる
ウッズとダイアー先生も毎日ご飯を置いてくれる
いつかは人を心から許し
笑い合える時が来るのだろうか？
敬具 A
ビクターの中で騎士は寡黙な人である
冷静に状況を判断し周囲をよく見て動いている
冷たくあしらっているように見えて優しい人だ
話したことはなくても遠くから見て
この文通を長く続けて理解した
ポ「彼女が今まで通り沢山の人と話せることが
できたらいいな……」
ビクターは筆を持ち真っ白な紙に文字を綴った
ビクターの足元ではウィックが嬉しそうに鳴いている
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作者名：野生の王者 | 作成日時：2020年7月31日 20時
