過去からの贈り物【妖怪ウォッチシャドウサイド】【ケータが来た。】 (ページ33)

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対立する者..？ページ33

「あれが酒呑童子様が探す姫ですか..？」

「..あぁ、」

ケータ達の去った今、
余興を見物した後の様に妖怪二人が話をしていた

オレンジに照らす夕日は
妖怪の影すら映し出したのだ

酒呑童子と呼ばれた男は
問いに対してつまらなそうに返事を返す
その視線は先程までケータの居た位置に向いている

探し物が見つかったというのに気持ちは晴れない
それはケータという少年が妖怪探偵団に関わっていたことが深く関係していた

(ケータは俺のトモダチではあるが
今は敵..

訳を話したら分かってくれるか？)

＿＿どうしたら此方側に引き込めるのか

酒呑童子の頭の中ではそれだけが議論された

(いや、ケータなら分かってくれるハズ)

酒呑童子は考える素振りをやめ、
オレンジに染まる空を見上げた

”そうに違いない”と言うように決意を抱く酒呑童子には
ケータという少年を信頼する理由があった

それこそが『友達』という関係だ

『俺と友達にならない？』

今でも記憶に刻み込まれた一言の言葉。

あの場面が、差し伸べられた手が、
きっとケータなら..という期待を強く抱かせたのだ

友達なんて只の肩書きに過ぎないのだが
何故か期待してしまう

「酒呑童子様？」

「よし、洞潔。
これからクッキーを買いに行くぞ」

「...は？」

間抜けな声が酒呑童子に向いた

様子に不満か？と状況の理解できていない洞潔に視線を送ると
いえ、と少なからず不満を残し洞潔が答えた

彼の中での優先順位は酒呑童子。
自分の意見すら声に出さず主に従うのは流石と言える

主の酒呑童子に命令されれば彼はきっと火の海にでも飛び込むであろう

(落ち着け、なにか考えがあってこそだろう)ｷﾘｷﾘ

..だが精神が強いとは限らなかった

胃がキリキリと悲鳴を上げるのが何よりの証拠であった

けれど、この胃痛がこれからもっと増える事を
洞潔が知るハズもない

_おまけその後_

「チョコクッキーにするか..
いや、シンプルか？

どう思う洞潔」

「普通にシンプルで安いのが良いと思います
(何処までも着いて行きます..酒呑童子様)」

ーー
なんか洞潔さんが苦労人というのがよく分かりますね..
(その内病気になりそうで不安)

あ、クッキーを誰の為に準備するのかはご想像にお任せします