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促されるまま、私は第2ゲームの問題を見た。
『突如現れた4人の
1人は、♧の石を持つ堕天使
1人は、♤の石を持つ屍生人
1人は、♡の石を持つ賢者
1人は、♢の石を持つ僵尸
この中で、「知恵」を持っていたのは誰?』
本日、何十回目かのクエスチョンマークである
え、「知恵比べ」ってそういう事なの?
4人の内、誰か一番頭が良いかを答えろって事?
キャパオーバーして、考える事を諦めた脳が文句を言い始めた。いや、今に限った事ではないか。
「問題の答えが、あの4つの宝石のどれかを示してるんだよな?」
志麻さんの落ち着いた声色だけが、私をギリギリ正気に保たせている。こくんと頷くと、彼は顎に手をあてて、少し考えるような素振りを見せた
そんな様子をぼんやりと眺めて、目を逸した
紫の瞳が、ぼっと赤くなった時のことを思い出し、胸がざわめく。あれは、志麻さんじゃなかった。気のせいだったのかもしれないけれど、とてつもない不快感が残っている。
「A」
これも、もう何回目だろうか?
また、名前を呼ばれて(別に、名前を呼ばれるのが嫌って訳ではなけれど)、ため息混じりに志麻さんの方を見ると、すぐ近くに彼の顔があった。
「大丈夫か?」
多分、心配してくれているのだろう。
その声はいつもより温かくて、瞳は優しげに揺れていた。
でも、私の心はその一言で取り乱したように黒くなる
「大丈夫……な訳、ないじゃないですか」
棘のある声が口から漏れた
グチャグチャになった感情が溢れ出して、志麻さんに浮かんでくる言葉をぶつける
なんでそんな平然としていられるの?
殺されちゃうかもしれないんだよ?
もう家族にも友達にも会えなくなっちゃうんだよ!?
志麻さんに当たっても意味がない
何も起こらないのに
分かっているけど止められなかった
「もう、いやだ……」
こんなの1秒だって耐えられない
早く楽になりたい。なんでもいいから早く私を
「ダメだ」
空白のページができたみたいに、逸時の間が流れた。唖然として見つめる私を置いて、彼は続ける
「俺の役目は、お前を守る事なんだから」
力強く言われて、返す言葉も見つからなかった。迫り上がった気がすっと消えていく
なんか、もういいや……
こうなったら、死ぬ間際まで、足掻いてやろう…
私は小さく頷いた
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。りうむ 。 - そうなんですね(´∀`*) 覚えていてくださって嬉しいです!(>ω<*) (2020年5月12日 23時) (レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 。りうむ 。さん» あぁっ、りうむさん!!前作に引き続き、コメント、そして応援までありがとうございます!!そう言って貰えて嬉しいです!ちょっと張り切って作ってみました笑笑 (2020年5月12日 0時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
。りうむ 。 - 1ゲームごとの画像を細かくつくっていてすごいですね!!(語彙力がなくてすみません(>< )) 応援してます!!(´ω`*) (2020年5月12日 0時) (レス) id: a1d0ac6eed (このIDを非表示/違反報告)
ユン(プロフ) - 紅灯-あかり-@crewさん» コメント、ありがとうございます!そう言って頂けてすごく嬉しいです(≧∇≦)これから志麻さんが大活躍(?)する予定なので、良かったら見に来てやってください笑 何時でもお待ちしてます! (2020年4月28日 21時) (レス) id: ca6f64574e (このIDを非表示/違反報告)
紅灯-あかり-@crew(プロフ) - 初コメ、一コメ失礼します!あ、すきです。志麻くんに首絞められるの見てゾクゾクしちゃった自分がキモくて怖いです(震え声)何時も見てます!更新頑張ってくださいね! (2020年4月28日 0時) (レス) id: 7ac7f90b4f (このIDを非表示/違反報告)
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