グリムラルカ インゴーストシップ

6.知恵比べ ページ17

第1ゲームのときと同じ、張り詰めた緊張感が空気となり、辺りに漂う。真っ暗で何も見えないから、志麻さんが何処にいるのか分からない。



ふいに、背後でガチャンとドアの鍵が閉められる音がして、振り向いた瞬間、誰かに腕を掴まれた。


そのまま、グイっと引っ張られ、悲鳴をあげて手から逃れようとすると、すぐ耳元で声がした



「心配すんな、俺や」



な、なんだ志麻さんか

しかし、ホッとしたのもつかの間、パチンと指を鳴らすような音がして、ふわっとテーブルに明かりが集められた。


そして目に入ったのは＿＿



「宝石、、、？」



そこにあったのは4つの宝石と一枚の古びた羊皮紙。紙には何も書いておらず、宝石は全て異なる形と色をしていた。


クラブの緑柱石(エメラルド)
スペードの紫水晶(アメジスト)
ハートの柘榴石(ガーネット)
ダイヤの黄玉石(トパーズ)



詳しい事は分からないけどそれらがとても高価な物で、立派な物なんだろうという事はど素人の私でも理解できた。



"第2ゲームは『知恵比べ』です"



え？知恵比べ？

知恵比べとこの宝石達と何の関係があるの？


話の意図がよく分からなくて、不安になり志麻さんの方を見る。彼はテーブルの上を睨みつけたままで何も言わなかった。

代わりに私の腕を掴む力が強くなる。



俺らゴーストハンターの役目は人間を守る事
ちゃんと守ったる



凛とした横顔にそう言われてるような気がして、胸が熱くなった。この人は、私の味方なんだ。不安が薄れ、真っ直ぐ前を見つめる



大丈夫。

第1ゲームをクリアできたんだから、次もきっと大丈夫。今度は志麻さんもいるし。



"やり方は第1ゲームとあまり変わりません
その4つの宝石のうち、どれか1つが部屋の鍵となっているので、それを使い部屋を脱出して頂きます。


しかし、不正解を選んだ場合、ゲームオーバーとなるので、くれぐれも間違えんように気をつけてェや

正解は問題を解くことができれば分かるでしょう"



魔物はそこまで言うと「ね、一緒でしょ？」と相槌を求めてきた。


確かに第1ゲームとおおよそ同じようだ
本当に、それだけならば。



"あれ、疑ってます？
ヒドイなぁ、流石に僕でも傷つきますよ"



そんな事、これっぽっちも思ってないくせに

私の表情を見てか、魔物はクックッと喉を鳴らす。そして、"あながち間違ってませんけど"という一言を残して、再度指を鳴らす音が聞こえた




"第2ゲーム、開始"

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