もう君に ページ10
最後の記憶だ。
「別れませんか」
急に切り出された時、声が出なかった。
「もうこれ以上ダラダラ続けたら駄目だと思いました」
「……」
「一方的でごめん」
「……なんで」
あまりに突然の申し出に、それしか言えなかった。
予想してなかったわけじゃない。
たしかに最近は、恋人らしいことなんて何にもしてなくて、なんだか、味気のない毎日を送っていた。だけど、でも、そんな簡単に崩れるような生活ではないと思ってた。思ってた、のに。
「楽しくないんちゃうかなって」
「どういうこと」
「Aが俺といて、つらいんちゃうかなって」
「そんなこと__」
かっと頭に血がのぼった。
「あるわけないでしょ、馬鹿っ！！」
勢いよく立ち上がったら、テーブルに乗っていた花瓶が倒れて割れた。生けていたシュウメイギクが放り出されて、クロスが染みる。
「何言ってんの！？何年暮らしたと思ってんの……勝手な憶測で私のせいにしないでよ！！」
普通に腹が立った。はた迷惑な憶測は完全に私の地雷の中の地雷で、センラはそれも知っているはずだった。
割れた花瓶も放って怒鳴りつけた直後、まるでそうなることを知っていたかのようにセンラの瞳が揺れるので、一瞬澱む。
「何……隠してんの」
違和感が疼いた。
穏和なセンラがわざわざ私の怒るような言い方をするなんて、なにか理由がある。
普段喧嘩をする時、こんなふうに感が働いたことは無い。だけど、今日はなぜか鋭かった。
そして案の定当たっていた。
私に睨まれて見開かれた瞳は、驚いたように揺れて、そしてすぐに「ごめん……」と伏せられた。
「やっぱ誤魔化せそうにないわ」
「なにが」
「ちゃんと活動しようと思ったんです」
「活動って……歌い手のこと？」
「そう。俺自身の活動もそうやし、1番は浦島坂田船のこと。今まで仕事と合わせてやってきたけど、今年のツアーでもう無理やなって思った。両立はできない」
「いや、全く意味わかんないんだけど」
どうしてそっちに話が逸れるんだ。
仕事と活動が両立できないから私と別れるって、全然関係ないじゃないか。
せめて話を聞こうと辛うじて抑えていた怒りが爆発しかけた時、「あのさぁ！！」と彼の方が怒鳴った。
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Ｒ−アル−(プロフ) - 長々とすみません、最後になりますが、素敵な作品を本当に有難うございました！完全なハッピーエンドではないですが、感謝と餞を花言葉とする花束で想いを伝え合うような、確かで曖昧な所とか本当に好きでした！！はばないすでぃ！！（馴れ馴れしくてすみません） (1月24日 1時) (
レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - 私は最近乗船したばかりなので、昔の解釈でのお話楽しかったです！！ゆんさんに余裕ありましたら是非とも今のセンラさん解釈での続きを読んでみたいです…！別作品も読ませて頂きますね！！ → (1月24日 1時) (レス) id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - ゆんさん» いえいえいえ！！表記は全然分かりにくくなかったです！！読み込みがバグってたみたいでさっきはリンクが出てなくて……今はありましたので飛ばせて頂きました！裏話本ッッッ当に最高でした！！ → (1月24日 1時) (レス) @page18 id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - Ｒ−アル−さん» 本作の『制作裏話』のページにリンクを貼っているので、そちらの方からぷらいべったーに飛んでいただけると読めます！表記が分かりずらくてすみません💦少し訂正を入れたので、確認お願いします (1月23日 16時) (レス) id: 247385b72e (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - すみません、裏話はどこから読めますか……？ゆんさんの作品一覧へ飛んだのですがこの作品が一番上でそれより新しいものを見つけられなくて……お教え頂けると幸いです！！ (1月23日 15時) (レス) @page18 id: 8b5171215e (このIDを非表示/違反報告)
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