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宮近「…そっか、何かあればいつでも聞くから、」
いつでも頼って、なんて。
優しく言葉を掛けてくれた。
『ありがとうございます笑』
そう言って、ジョッキの残りを飲み干した。
宮近「Aさん大丈夫？ペース早くない？」
心配してくれる宮近くんに"大丈夫です"と答え、店員さんに同じ物を頼んだ。
宮近「まぁ帰りは送ってくから安心して
どうせ帰るのは同じ場所だしね笑」
『はい、一緒に帰りましょう！』
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お互いご飯を食べつつ少しずつ飲んで。
普段はあまり話す事のない話題も沢山話した。
昔サッカーしてた、とか。
実はダンスが好き、とか。
映画見ながら寝るのが好き、とか。
シソが嫌いで食べれない、とか。
私も！なんて共感したり。
宮近くんとの何でもない会話が凄く楽しくて。
そして楽しい時間はあっという間で。
そろそろ帰ろうか、という事になり伝票を探したけど見当たらなくて……
宮近くんがいつの間にか払ってくれてたみたいで、
私が手伝ってもらったお礼だから全部出そうと思ってたのに。
店先で財布を出してそう伝えるけど、
宮近「お礼としてちゃんとAさんの時間貰ったから笑」
そう笑いながら言って全然受け取ってくれない。
今度別のお礼を考えようと歩き出した時。
……あれ、ちょっとふわふわする。
おまけに足元が少し歪んで見えた。
その瞬間少しバランスを崩してしまい、前に倒れ込んだ。
.
.
……はずだったのに。
どこも全然痛くなくて、
むしろ浮いてるように身体が軽く感じた。
宮近「……っと、Aさん大丈夫？」
後ろから伸びた腕は私の腕と腰を掴んでいて。
回転の鈍った頭でも、宮近くんが助けてくれた事はすぐに理解出来た。
『ご、ごめん！ありがとう…！』
そう言って離れようとしたけど、腕だけは離してくれなくて。
宮近「今みたいな事あっても絶対助けてあげられる訳じゃないから…
……嫌かもしれないけど、今だけ」
宮近くんの手は、
私の腕から手のひらへと位置が変わりゆっくりと重なった。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
