《16》 ページ17
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『あれ、やっぱり宮近くんだ』
宮近「……何で居るの、」
『私は近所で……、宮近くんこそ、』
ここは先程別れた駅とは随分離れている。
宮近「俺も近所で……」
さっきは松倉くんの家に用事があったとかで宮近くんは降りたらしい。
『そうなんだ！じゃあ家近いのかな？』
宮近「かもね笑」
宮近「……買うの？それ、」
宮近くんの指差す先には私が先程まで見ていたファッション誌。
『あ、いや！ちょっと参考に……』
ふーん、なんて興味が無さそうに宮近くんはドリンクコーナーへ向かう。
すぐに私も後を追った。
宮近「何買うの？」
『実はさっき冷蔵庫開けたら空っぽで…』
宮近「あー、一人暮らしあるある笑」
『だよね笑』
初めとは違って、随分表情が柔らかくなった宮近くん。
私も自然と笑えるようになった。
水を片手にレジへ向かう途中、甘い物が食べたくなりスイーツコーナーへ。
プリン？シュークリーム？あ、アイスもいいな……どれも美味しそう。
5分程悩み、レジで会計を済ませると、
先に会計を済ませていたであろう宮近くんの姿はすでにもう無くて。
あ、挨拶もしてないや。
そう思いながら袋を片手に外に出ると、
帰ったと思っていた同じ袋を持った宮近くんが立っていて。
宮近「随分悩んでたね笑」
『全部美味しそうで……って、宮近くん何でいるの』
そう問い掛けると、少し視線が重なった後、恥ずかしそうにすぐ逸らされて。
宮近「いや、せっかく海人が送ってったのに…
また一人で夜道を歩かせるわけにはいかないでしょ」
また視線が重なった。
宮近くんの大きな瞳に見つめられ、今度は私が恥ずかしくなり視線を逸らすように言葉を発した。
『で、でも！すぐだよ？』
宮近「いいから、…早く行くよ」
『うん…』
大人しく宮近くんの半歩後ろを歩いた。
宮近「こっちで合ってる？」
『あ、うん。………ここ、』
宮近「…え、」
少し驚いた表情の後、
宮近「俺もここなんだけど…」
偶然は意外にも重なるみたい。
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作者名：れおな | 作成日時：2020年12月10日 6時
