甘やかすのは誰の為 ページ20
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「でさ〜、なかなか姿見えないから戻ったらリエーフと研磨が鼻血出しててさ〜、」
笑うたび、ふわふわ揺れるヘーゼルブラウンの髪。
柔らかな声も、心地よく耳に溶け込んで。
『(…好き、か)』
黒尾の言葉が頭をよぎる。
夜っくんが彼氏だったらどうなのかな。
せーので同じこと言ってハモって、ケラケラ笑って。
昨日見た夢のこととか、バレーのこととか、手繋ぎながら話して。
あ、なんか今とそこまで変わんないけど楽しそう。考えただけで胸があたたかい。
…あ。待って、恋人同士なら、キ、キスとかもするよね。
夜っくんとキス…キス…？
そこまで考えてふと思い出した。
『(…夜っくん、大事にしたい人いるんだった)』
「…(人1)？おーい、聞いてる？」
『…あ、ごめん。ちょっと考え事してて聞いてなかった』
「え〜？俺が話してる時に？…あ〜でもリエーフの話だしな、つまんなかった？ごめんな」
『どう考えても私が悪いから謝らないで…！』
ごめんなさい、と机に突っ伏して謝ると、夜っくんは「いいって」と笑いながら下敷きで私を仰いだ。
生ぬるい風が私の頬を掠めて、髪をハラハラと靡かせる。
何で仰ぐの？と聞けば「今日暑いからボーッとなったのかと思って」とサラッと言った。
『…夜っくんさ、好きな子いるなら他人を甘やかすのやめた方がいいと思う』
「はぁ？好きな奴いるって言ったっけ？」
『大事にしたい人いるって言ってたじゃん。誰なのか頑なに教えてくれないけど…』
「あー…そう言えば言ったかも」
よく覚えてんな、と夜っくんは笑う。
…何でか、忘れられないだけなんだけどな。
『夜っくん誰にでも優しいから言うけど。大事にしたい人いるならちゃんとその人だけに優しくしないとダメだよ』
「何で？てか俺そんな他人に優しくしてる？」
『やっぱ自覚なしかぁ…それも夜っくんの良さだけど、女の子なんて優しくされたらすぐ恋に落ちちゃうんだし、大事にしたいならその子だけ見てあげないと』
「…いつも見てますけど？」
『そうなの？私が知らないだけか…』
私こんなに夜っくんと話してるのにいつの間に他の子見てんだろ。
…そう思うと、何だか寂しくて。
『…もしその子と付き合ったら、もう夜っくんと目線合わせられなくなっちゃうね。嫌だなぁ…』
心の声が漏れていることに気づくまで3秒くらい。
机に突っ伏していた私は慌てて顔を上げた。
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雨音 淡桜 - 17ページ冒頭、読んだ瞬間むせかえって窒息しかけました（笑死） (3月25日 16時) (
レス) @page17 id: e6a1afaa78 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 凛さん» コメントありがとうございます！あのシーン夜久さん好きには堪らないですよね…いっぱい夜久さんを映してくれて良かった…(^^) これからもカッコ可愛いうちの小説の夜久さんをよろしくお願いします！ (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - kis09170810さん» コメントありがとうございます！映画やばかったですよね…私はいまだに泣いてしまいます…この先もしばらくもどかしい展開が続きますのでハラハラしながらお読みください…(^^) (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 風佳さん» コメントありがとうございます！そういっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです(^^) ちょっと本能出てしまう夜久さんマジ性癖です…笑 (3月9日 23時) (レス) id: bc0669ada1 (このIDを非表示/違反報告)
凛(プロフ) - 私も映画で、「もっと〜？」ところがすごく好きです！というか映るたびに声が聞こえるたびにニヤニヤしてます笑 夜久さんのかっこよさと可愛さに悶えながら読ませていただいてます。続き楽しみにしてます！ (3月9日 1時) (レス) @page48 id: fcb07708b9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2024年2月26日 21時
