安心できないハッピーエンド。 ページ48
.
「おーい大丈夫か？」
「なんとか…消毒はできてないけど」
「倫太郎、もう少し歩幅狭めてよ。浴衣歩きにくくて」
「短足なだけじゃね？」
「よし。歯ァくいしばれ」
あの後倫太郎がみんなに連絡を入れてくれて、
私達は無事に合流した。
傷だらけの足は、倫太郎がたまたま(笑)持ってた絆創膏を貼って、
鼻緒は私の持ってたハンカチを裂いてなんとか修復。
お気に入りだったんだけどね…
「ほんで？上手くいったんやろ？角名」
「うん、もちろん。俺のだからね」
「なんで分かったの、侑」
「ココ」
侑が指を差した先は、私の首元。
「キスマ見えてんで」
「！」
「ほんで襟はちょお着崩した跡みたいなんあるし！ホンマ俺らが心配してる時にイチャコラしよって！」
「だってわざとだし。見えないと意味ないでしょ」
スッとつけられた跡を愛おしそうになぞる倫太郎。
ご機嫌だ。
「良かったなあお前ら…いつくっつくんかと思ってソワソワしてたわ」
「大耳さん♡」
「大耳さん、(人1)は絶対譲りませんから」
「好きの種類違うやろコレ…まあ安心せえ、(人1)は思ったより角名にゾッコンやで」
ギュッと後ろから抱きしめられる。
確かにゾッコンかもしれない。
好き、愛おしい、
その気持ちが滞りなく溢れている。
「やーいバカップル〜」
「黙れぱいおつ星人2号。次(人1)の胸変な目で見たら地面に埋めるから」
「俺ぱいおつ星人ちゃうのに…(人1)、角名に泣かされたら俺のとこに来てもええよ」
「治はおにぎりが恋人でしょ。別の意味で鳴かすけどそっちは絶対ないから安心して」
「安心できない言葉が聞こえた気がする」
ここら辺で花火見る場所探すからお前らゆっくり歩いて来や、とみんなの気遣いをもらって、
2人で手を繋いで、ゆっくり歩く。
「…倫太郎とは、絶対こうならないと思ってた」
「俺も。去年1年間何も思わなかったのが不思議なくらい」
「…ねえ、チューペット食べれなくても嫌いにならない？」
「どうだろうな〜」
「えっ」
「うそうそ」
ドン、と花火があがって、夜空に溶けていく。
すごく、すごく綺麗だった。
「少女漫画みたいな恋愛しちゃった」
「どう？」
「ドキドキが止まらない」
「…これから、もっとするから」
なにそれ最高。
大輪の花火を前に、私達は指を絡ませたまま、
どちらともなく、キスを交わした。
Fin.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 684人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です！！ (2022年11月2日 18時) (
レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「？」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます！！！！角名はやっぱ色気の塊ですね！えっrrr((素敵な推しをありがとうございました！治も楽しみにしております。がんばってください！！ (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2020年3月8日 1時
