少女漫画の結末は。 ページ47
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今日はよく涙が出る日だ。
ポロポロ、止めたいのに止まらない。
だって、だって、信じられない。
倫太郎は今なんて言った?
私の聞き間違いじゃないよね?
「ほん、と?」
「こんな時に嘘つくと思うの」
「倫太郎なら、つきそう…」
「えー俺信頼なさすぎ」
んーと倫太郎はちょっと考えて、
私の顎を持って、そのまま、
「んぅ…ッ!?」
「ん……っは、ねえ?俺の気持ち伝わった?」
ぺろり、と舌舐めずりする倫太郎は、
どこまでも色っぽい。
「…私なんかで、いいの?憎い相手じゃないの?幼なじみだよ」
「なに、まだキス足りないわけ?」
「…唯乃ちゃんは、」
「周りくどいなあ…(人1)がいいの。ちょっと憎いけど心地良くて、
そんでもって嫉妬深くて、髪飾りとか浴衣とか、こうやって俺に見てほしくて頑張る(人1)が、俺は好きなの」
気付いててくれた。
スッと涙の跡を拭って、それに、と続けた。
「この浴衣、どうしても着て欲しかった」
「どうして?」
「…3年前に、2人で行った花火大会で(人1)がそんな感じの浴衣着てたの思い出して。
あと、さっき恥ずかしくて言えなかったけど、
…浴衣、似合ってる。可愛いよ」
「あ、りがと…」
侑に先越されるくらいなら最初に言えば良かったの、ちょっと後悔してる。
そう言われて、倫太郎の腕の中で笑う。
神様、よかった。私、バチあたってないみたい。
「あとね、唯乃と付き合ってたのは、アイツが(人1)にそっくりだったから」
「そっくり…?」
「なんとなく、雰囲気とか似てて。(人1)の姿を重ねてた。
でもやっぱ違った。お前はお前だよ、(人1)」
そろそろ返事聞かせて欲しいんだけど。
倫太郎は笑いながら言う。
ずるいなぁ。キスまでしたくせに。
「…ここで嫌いとか言ったら面白いかな」
「押し倒して鳴かされたいならどうぞ」
「…冗談。私も、こんな泣いちゃうくらいに倫太郎が大好きだよ。
幼なじみだけじゃなくて、恋人にして?」
「…ずっと、それが聞きたかった」
優しく唇を重ねられる。
ちゅ、とリップ音が響き、そしてだんだんと深いキスに。
下唇を甘噛みされて、薄く口が開く。
すかさず入り込む舌。
「(ずっと、このままがいい)」
幸せだ。溶けてしまいそうなほど。
少女漫画の主人公もこんな気持ちなのかな。
そっと、倫太郎の背に腕を回した。
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あやね - 「離れ離れの1年ちょっと。」のところの角名君の出身地は、愛知県です!! (2022年11月2日 18時) (レス) @page4 id: 04b5e98dd0 (このIDを非表示/違反報告)
すなりんん - 涙が勝手に溢れてきましたごめんなさい「?」 (2020年4月22日 1時) (レス) id: 22d4d41058 (このIDを非表示/違反報告)
紺(プロフ) - え、好きです (2020年3月24日 10時) (レス) id: c01d9ddcd5 (このIDを非表示/違反報告)
のん - 再び失礼いたします。完結おめでとうございます!!!!角名はやっぱ色気の塊ですね!えっrrr((素敵な推しをありがとうございました!治も楽しみにしております。がんばってください!! (2020年3月22日 23時) (レス) id: a9c340b6bb (このIDを非表示/違反報告)
亀さん - 完結おめでとうございます!!!やっっっっと結婚しましたね!!!←角名くんすきぃ……次回作も読みます!!!佐久早好きなの分かりすぎて泣…………サム楽しみにしてます!!! (2020年3月22日 22時) (レス) id: 1af3b4280f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年3月8日 1時