好物頂上決戦【宮 侑】

鮭とゴリラ。 ページ8

.







「…とは言われたけど結局現状変わらんし気づいたらもう夏や！！！！」

「誰に話してんの、幽霊？」

「秘密。大人の諸事情や」

「まだ子供でしょ君」






あれからはや3ヶ月ちょっと。

季節は春から夏へとかわった。





そして、あのとき治が私の前の席だったのに、

今は角名りんにかわった。




席替えでまたバレー部の後ろの席とか私のくじ運どうなってるんだ。






「(人1)、聞いてくれん？」

「治、いつの間におったんや…どうしたん？」

「今日のおにぎり、ツナマヨやねん」

「美味しそうやけどめちゃくちゃどうでもよかったわ」






暑くてパタリと机に伏せると、

治が下敷きでパタパタとあおいでくれた。







「治、私のこと好きやな〜」

「そんなことあらへんよ」

「明日から夏休みから会えんの寂しいんやろ」

「そんなことあらへんよ」

「テンポ良すぎかよワロタ」





まあどっちみち部活やけどな！








「吹奏楽部も合宿あるんだっけ」

「そうなんよ、お盆のひとつ前の週から」

「俺らもインターハイ終わった次の週やんな」

「鬼だよねほんと…」

「ほんなら時期的には一緒なんやね。

…インターハイ、吹奏楽部で応援行くから頑張りや」





バチバチにトランペットの音、響かしたるから！

そう言った途端、背後から突然頭鷲掴みにされた。







「サーブミスりそうやから響かせんでもええで」

「ホンマ暇なん？アンタの応援なんか絶対せんわ！

早く手ぇどけろや！」

「いや〜ここにサイズ感ちょうどのバレーボールがあったなんてな〜」

「地に埋めるぞ」

「なあサム、」

「話を！！聞け！！！！」

「トロ食べれるようなったらな！」






グリグリと頭を侑に押さえられて身動きとれない。

ていうかこいつ力強すぎ！！しぬ！！



でもトロは食べれない。やっぱりしぬ！！






「(人1)、ツナマヨは俺のやけど鮭のおにぎり食べるか？」

「食べたいねんけどその前に助けてほしい」

「あーんしてあげようか」

「バレー部頭おかしい奴ばっかか！！誰でもいいから助けてくれよ…」

「フッフ、おもろいなぁ(人1)」

「楽しむなアホ宮！」





結局それは、

銀島くんが来るまで続けられた。




頭かち割れるかと思った…







「クソゴリラが」

「ったァ！？お前もゴリラやん人のこと言えへんぞ！！」

「仕返しや」





べーっと舌を出して、

また何か言われる前にそのまま走り去った。









マジで頭痛い。

夏休みの遭遇。→←召喚された北さん。

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す