好物頂上決戦【宮 侑】

私の1番好きな顔。 ページ40

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ポカンと、

口を開けたまま私を見て固まる侑。




その口を手でふさいで、言葉を続ける。








「全部、全部アンタのせいやねんで？

アイラブトロ！！とか言うとるアンタなんか好きになる気なかったんに、勝手に私のこと引っ掻きまわして、

そんで、引っ掻きまわしときながら、急に彼女とか作って私から距離とって！

ほんで、弱っとるときにはまた急に現れて、私の心かっさらってくんや…


ホンマ気まぐれで、意味わからんのに、

アンタに毒されてしまった私は、それでも愛おしいと思ってしまうんや！


アンタのバレーする楽しそうな顔も、イジワル言っとるときのクソ腹立つ顔も、何もかも！



全部、全部、好きやねん…！

振られるの分かっとるんに好きやねん、アホ侑…！」





最後はもうヤケクソだ。

途中から言葉がまとまらなくて、



試合に負けた時には出なかった涙が、

ポロポロとこぼれた。




侑の顔を見ていられなくなって下を向いた時、

急に顎をつかまれて、また視線は侑へ。






「ホンマ？」

「へ？」

「今の言葉、嘘ちゃうよな？」

「ちゃうよ、ウワッ！？」





途端に腕を引っ張られて、

ぽすりと侑の腕の中におさまる。




ぎゅう、と隙間なんかないくらい強く抱きしめられる。




「あつむ、」

「言わせてごめんな」

「え、」

「俺も好きやで、(人1)が」





ぶわりと更に涙があふれる。

うそ、なんで、




「天地ひっくり返ってもない言うたやんか、」

「それはそん時や。今はめちゃくちゃ好きやねんで」

「そんな素振りなかったくせに…」

「我慢しとったんやで」





ホンマ、キスとかしたかってんけどな？




その言葉に顔が熱くなって、侑から目をそらす。







「なあ、キスしてええ？ええよな？」

「待って、初めてやねん、心が」

「あー…安心しぃ。もう初めてやないよ自分」





俺合宿の時寝とる(人1)にキスしてもうたし。



しれっと、爆弾発言をした。

は？と固まり声を出そうとしたとき、




それを遮るように侑が唇に噛みつく。







とろけるような、甘いキス。


舌が触れ合って、食べられてしまいそう。








「…っ、な？もう初めてやないよ？」

「ふぁ…せや、な」

「ホンマ、ずっとこうしたいって思ててん。


…なあ、もっかい」



「あ、んっ…」






キスしながら、目があって、

妖艶な笑みを浮かべる。







「(あぁ、私の1番好きな顔…)」







私も笑って、目を閉じた。

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