好物頂上決戦【宮 侑】

毎度おなじみの朝。 ページ3

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「ふあぁぁ…」




大きいあくびをしながら学校の玄関を通り、靴を履き替える。





朝は苦手だ。


全ての行動が"面倒くさい"と感じてしまうし、



1日が憂鬱だと錯覚してしまうから。






朝が苦手じゃない人なんているのだろうか。

きっと、それはこの世に少しは存在しているのだろう。


そんな人に、会ったことないけど。






しかし私にはもう一つ、

朝が苦手な理由がある。









＿＿＿＿ドンッ







「(……きた、)」




思わず口から盛大なため息が出る。


衝撃に耐えきれず傾く身体を、ロッカーに手をつく形でなんとか持ちこたえる。






「毎度毎度うるさいで宮。いい加減しつこいねんけど」


「目障りな虫がおったから潰そう思ってんけどな？

無駄に生命力高くてホンマムカつくわぁ」


「ハッ、あんたの攻撃力じゃ死ねんわ」

「あ？調子のってんなやクソが」





バチバチと、朝から火花を散らすのは、

私と、宮侑、という男。





「てかはよ朝練行けや。こんな所で油売ってる暇ちゃうやろ」

「自分が邪魔やから言うてんねんけど」

「は？通れるやろここら辺とか…だいたい隣のクラスなんにこっち寄ってくんなや」

「うるさいねん、今日こそは、」





「…2人ともまた？本当飽きないよね」

「ツム、お前めんどくさい男やな」






まるで売り言葉に買い言葉。

そんな様子を、宮の後ろから見ていて言葉をもらしたのは、





「おはよう、角名りん、治」

「おはよ、(人1)」

「おはようさん〜」





同じクラスの、角名倫太郎と、

この宮侑の双子の片割れ、治。




そして、私を取り囲むこの3人は、

れっきとした、バレー部のレギュラーだ。






「おい、サム！聞き捨てならんぞ今の言葉！」

「そのまんまや」

「…アホらし。もう行くわ。じゃあまた後でな角名りん、治。

そこのアホ宮は2度と戻ってこんでええから」

「自分の元になんか戻って来んわアホ！！」





まだギャンギャン吠える宮を無視して私は教室に向かう。





「(宮のヤツ、ホンマめんどいわ…)」






私たちがここまでいがみ合う理由。




それは、数ヶ月前のことだった。

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