そう易々と。 ページ18
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「うまっ!おかわりあるか?」
「もうご飯なかったからないで」
「普通に料理できるじゃん(人1)。これは彼氏できるのも時間の問題だね」
「えへへ、そう?」
あっという間になくなるオムライス。
治なんか多分5分でなくなったと思う。バケモンだ。
チラ、と侑を見れば、
まるでそのタイミングで見られるのが分かっていたみたいにこちらを見ていて、ニヤリと笑い返される。
「(さっき、ちょっとだけ、指が唇に触れた)」
ただそれだけ。
それだけなのに、すごくドキドキしている自分がいた。
「てか(人1)の分は?」
「あ、私のはええよ。アンタら食べる分なくなると思って作らんだし」
「え、でも昼飯抜きはあかんやろ」
「もう家帰るしええかなって思って…」
「…なあ(人1)」
おいで、と。
そう言いながら手招きする侑。
嫌な予感しかしない。
でもなぜか角名りんに背中を押され、あっという間に侑のところへ。
「…なに」
「サムが悲しい顔しとるから。ほれ、あーん」
「…は?」
確かに侑の皿にはまだオムライスが残っていた。
いやでもこれはまずい。
満面の笑みでスプーンを向ける侑に首を横に振り抵抗を示す。
「気持ち悪いねん。てか自分で食べれるし」
「せっかくの親切心を無駄にすんなや」
「アンタよりも角名りんのほうがええ」
「え、俺は嫌だけど」
「空気読んで角名りん」
そこは助けてくれるとこ!
キッと角名りんを睨むと、侑に顎を掴まれてまた視界は侑へ。
「ちょ、」
「堪忍しいや。ほら、あーん」
「うぅ…」
恐る恐る口を開く。
こんな羞恥プレイある?周りの視線がガチで痛い。
角名りん動画撮影やめろまじ。
「なーんてなっ」
私の目の前にあったスプーンは、私の口には入らず侑の口へ。
分かっていたよ。
こいつはそういう男だって!
「期待したん?ざまあやな。俺はそう易々と優しくなったりせえへんよ」
「うわあぁぁんホンマムカつく!角名りんもう帰らせてください〜」
「はいはい。本当侑のSっぷりにはドン引きするよ」
「ツムお前なぁ」
逃げるように宮家を後にする。
「(なんでドキドキなんかしとるん、自分のアホ…)」
もうしばらく関わるものか!
どうせ夏休み。明日からまた会わなくなる。
そう思ってたのに。
「は!?合宿の宿泊施設、男バレと一緒ォォ!?」
神様はとことん意地悪だ。
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ひぉん - とてもドキドキしました!もどかしくて、早く付き合っちゃえよ~!と思っていました!最後の後書きではるかさんの仰っていた「侑はモテるが故に恋に落ちる瞬間や気持ちが欠けている」の所、解釈の一致で全私がスタオベしました、!笑これからも楽しみにしています! (2020年8月18日 1時) (レス) id: 63fe28e87a (このIDを非表示/違反報告)
のんちゃん - めっっっっちゃ面白かったです!これで読むの2回めなんですが何回見ても面白くて宮侑はかっこよくてドキドキしてもうほんとに最高でした!私も中学の時吹奏楽部だったのでこういうの憧れます!体に気をつけてこれからも頑張ってください! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 03b3e3161b (このIDを非表示/違反報告)
さむつむ(プロフ) - はるかさん» 治くん、ありがとうございます!!!!めっちゃ嬉しいです! (2020年3月6日 12時) (レス) id: 0a4236f730 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - りぃにゃんさん» コメントありがとうございます!!ツッキーとクロ、二人とも挑発上手なので書きがいありそうです笑 実は治の小説の次に書こうかなと思ってます、また楽しみにしていてください(^^) (2020年3月6日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - みろるさん» コメントありがとうございます!最初の作品から読んでくださってるなんて…!とっても嬉しいです(^^)私もすなりん大好きなので頑張ります!また応援よろしくお願いします!! (2020年3月6日 0時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はるか | 作成日時:2020年2月27日 20時