喧嘩と仲裁。 ページ24
.
「この出来るか分かんねえ攻撃を繰り返すより、今までの攻撃とかサーブとかブロックとか！他にやること山ほどあんだろうが！」
「でも俺は…！この速攻が通用しなきゃ…コートにいる意味がなくなる！」
「だからこの速攻にお前の意思は必要ないって言ったんだ…！俺がブロックに捕まんないトスを上げてやる！」
「それじゃあ俺は！上手くなれないままだ！」
日向くんの剣幕に、飛雄も、私も仁花ちゃんも戸惑って。
それでも、譲れない飛雄はまた口を開く。
「…春高の一次予選は来月だ。すぐそこだ。
そん時武器になるのは完成された速攻と、全く使えない速攻どっちだよ！」
飛雄が日向くんの胸ぐらを掴んだとき、まずい、と思った。
仁花ちゃんの声も2人には届いていない。
「…俺は、自分で戦える強さが欲しい！」
「っ…てめぇのわがままでチームのバランスが崩れんだろうが！」
「！やめて飛雄ッ」
そんな私の声も虚しく、日向くんは飛雄によって床に倒されてしまった。
それでも慌てる私と仁花ちゃんには見向きもせず、日向くんは飛雄を睨む。
「…勝ちに必要な奴には誰だってトスを上げる。けど俺は、今のお前が勝ちに必要だとは思わねえ。
…今でも、変わりねえからな」
「ちょっと飛雄、そんな言い方、」
「か、げやまあぁぁぁ！！」
飛雄が日向くんに背を向けた瞬間、床に倒れていた日向くんが飛雄に突進して、
トスを上げるまで離さないと言った。
「仁花ちゃんッ、誰か近くにいる人呼んできて…！私出来る限り止めとくから！」
「う、うんッ…！」
また投げ飛ばされた日向くんを見て、私は立ち上がって2人に近づく。
「あの速攻止められたじゃねえか…！今日も、青城戦も…！」
「てんめぇ…俺のトスが悪かったっていうのか！」
「違う！完璧だった！ドンピシャだった！なのに止められた…！俺が今のままじゃもっと上には通用しないんだ！」
「ちょっ、2人ともいい加減にしなって！とりあえず落ちつ、」
「うるさい！！」
「ッ…！」
ガッ、と2人の掴み合う拳が口の横に当たって、
痛さのあまり床にしゃがみ込んだ。
「おい！！お前らやめろッ！！」
その時、仁花ちゃんが連れてきた田中さんが、2人の頬を思いっきりぶん殴って何とか引き剥がすのに成功した。
ああ、良かった。
ペタンと尻餅をついて安堵の息を吐く私を、飛雄が心配そうに見つめていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 819人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ましゅ(プロフ) - ヒェ〜〜〜最高すぎました〜〜〜はるかさんって、センスの塊なのもそうですけど、ツンデレを扱う天才ですよね！？！？京治くん挟むのも天才〜〜〜大好きです！！ (2020年6月21日 17時) (
レス) id: 01c5a5310c (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 狐さん» コメントありがとうございます！ギュンギュンしてくれたなら何よりです← 臣臣くんの小説ただいま執筆中なのでもう少しだけお待ちください〜！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - チベットさん» コメントありがとうございます！そこに気づけてもらえて嬉しいです…このシリーズ完結したらぼちぼち色々書くつもりでいるのでまた覗きにきて下さいね〜！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - しぃらさん» コメントありがとうございます！赤葦くん大好きなのでついつい導入させてしまうんですよね笑 はい！体調第一で頑張りますので佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！(^^) (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - 虹華さん» コメントありがとうございます！そう言ってもらえてめっちゃ嬉しいです励みになります(^^) 佐久早くんの小説楽しみにしててくださいね！ (2020年6月17日 17時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はるか
| 作成日時：2020年5月23日 23時
