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お家デート。お泊り。
俗にいう、チャンスとはこのこと。
ごくり。唾を飲む。大丈夫。
震える手でインターホンを押した。
「…早かったね」
「は、早かったらまずかった？」
「別に大丈夫だけど。あがって」
「うん…あ、これ。お母さんが」
「別にいいのに…でもありがと。後でお礼の電話入れとく」
手に持っていた紙袋を渡して、靴を脱ぐ片手間に京治の顔をチラリと見る。
…見たことのない、黒縁の眼鏡。
私服は何度か見たことあるけど、いつもみたいにカッチリしてない。
「部屋二階の奥。今飲み物持ってく。紅茶で良かった？」
「うん。コーヒー飲めないから」
「お子様だよね」
「うるさい」
マフラーを外しながら階段を登れば、
京治の部屋はすぐだった。
「…本当に、シンプルだなあ」
無駄なものがなくキチンと整理されてて、私の部屋とは大違い。
テーブルの前に腰掛けて、キョロキョロと辺りを見回してしまった。
「珍しいものなんてないよ」
「うわ物音立てずに来ないでよビビった」
「注意力散漫なだけでしょ」
「うるせー」
「そんなこと言う子の勉強は見ませんけど」
「まず映画みようよ」
「それ絶対勉強しないやつじゃん」
京治は呆れて、でも確かに笑って。
シンプルな部屋には不釣り合いのこたつに潜り込んだ。
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「京治〜〜。お風呂ありがと、洗濯まわしといた！」
「ん、皿洗いもありがと。先風呂入っちゃってごめん」
「別に？京治が意外と物の扱い雑で皿洗わすのちょっと怖いとか思ってないから」
「ニヤニヤしながら言うな」
映画を見て、勉強して、軽くゲームして、ご飯を食べて。
京治との時間は、何だかあっという間だ。
ベッドの上、枕を背もたれに本を読む京治に近づけば、
本を閉じて、おいで。と優しく手招きしてくれた。
京治の長い腕、大好きな温もりが私を包み込んで、柔らかく跳ねた髪が首筋に当たる。
ちょっとくすぐったくて、身をよじった。
「甘えたさんなの、今日」
「うん…(人1)から俺の匂いする」
「あ、ボディーソープ持ってくるの忘れちゃったから、」
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「……いいね、今すぐ食べたいくらい」
振り向いて。
いつも静かな目の奥。
しかし今、それに宿るギラつきを、捉えてしまった。
視界、反転して。
ベッドに背を預ける形になった。
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くまとも(プロフ) - 作者さんの表現、私は好きです。文学小説みたいに少し難しいですが、情景は浮かんでくるし言葉の表し方がすごい好きです。 (2022年4月9日 10時) (
レス) @page37 id: d164243b11 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - らいすさん» リクエストありがとうございます！了解しました！楽しみにしててください(^^) (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
はるか(プロフ) - smile0312さん» 嬉しいです！本当に素敵なリクエストありがとうございました(^^) またお願い致します！！ (2020年8月14日 23時) (レス) id: 932e8eeb07 (このIDを非表示/違反報告)
らいす - 突然失礼します！宮治で喧嘩＆嫉妬編みたいです！よろしくお願いします！ (2020年8月13日 22時) (レス) id: 353c3ad3a3 (このIDを非表示/違反報告)
smile0312(プロフ) - 早速リク消化ありがとうございました！！ニヤケながら読ませていただきました！またなにか思いついたらリクエストさせていただきます！ごちそうさまでした (2020年8月13日 5時) (レス) id: 5bb02e7866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるか
| 作成日時：2020年7月22日 18時
