愛した罪 (ページ2)

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朝ご飯を作って、玲於を起こしに行く。

規則正しい寝息を立てる彼に近づくと、
布団に投げ出されたその手に目がとまった。

長い指にはめられている指輪は、
私の指にもお揃いでつけてある。

まだ笑顔があふれていた頃、
玲於がプレゼントしてくれたもの。

…浮気しても、ちゃんとつけてるんだ。

同じ指にはめているその輝きは、
今はただ切ない。

『……玲於、起きて、』

背中をとんとんと叩くと、
重そうにまぶたを上げる。

玲於「ん、……A、」

寝起きは甘えたで、私を見ると優しい顔をして
ぎゅ、と手を握ってくる。

昔は嬉しいと感じられたのに。

『…おはよ、』

無理に笑顔を作って、手を握り返した。

玲於も「ん」と笑ってむくっと起き上がる。

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たわいもない話をしながら
一緒に朝ご飯を食べる。

テレビをつけると、ちょうど
「GENERATIONS」のニュースをしていた。

音楽に合わせて踊る玲於が映る。

そりゃ、これだけかっこよかったら
女の子が放っておかないよね…。

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玲於が家を出るとき、いつも玄関まで見送る。

今日の予定は、バラエティーの収録と
ダンスのリハーサルだと聞いている。

玲於「じゃ、行ってくる」

『…玲於、』

玲於の服の裾を弱く掴んだ。

振り向く玲於の顔は見ないようにしながら、
今日も同じことを聞く。

『今日は…早く帰ってこれる？』

玲於の瞳が、揺れた気がした。

『…寄り道して、帰らない？』

玲於「…すぐ帰るよ」

わかった、彼の背中にそう返事をする。

すぐ帰る、なんて。

その嘘をもう何度聞いただろうか。